小沢一郎・民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る事件で、焦点となっている土地代金に充てた4億円について、小沢氏は23日夜、東京地検特捜部の事情聴取後に開いた記者会見で、「自分個人の資産を貸し付けたもの」と説明した。

 この中には、家族名義の口座から引き出した現金があったというが、なぜ自分の資産を家族名義にしていたのかなど、新たな疑問が浮上している。

 小沢氏が23日の記者会見で配布した説明文書には、同会が2004年10月29日に購入した東京都世田谷区の土地代金の主な原資として、〈1〉1985年に(東京都文京区)湯島の自宅を売却し、(世田谷区)深沢の自宅の土地を購入し建物を建てた際に残った2億円〈2〉銀行の家族名義の口座から97年に引き出した3億円〈3〉家族名義の口座から02年に引き出した6000万円――の三つが挙げられていた。

 これまでの小沢氏側の弁護士の話を総合すると、〈1〉の湯島の自宅というのは、父親の小沢佐重喜(さえき)・元建設相から相続したもの。〈2〉と〈3〉の計3億6000万円も、「小沢氏が父からもらった金を信託銀行に積み立てたもの」という説明だった。

 しかし、これらがすべて小沢氏の個人資産ということになると、特に〈2〉と〈3〉の資金について、なぜ、家族名義で積み立てていたのかという問題が出てくる。この理由について、小沢氏は会見で語っていない。

 小沢氏側の弁護士によると、この「家族」とは、小沢氏の妻と子供3人で、小沢氏は弁護士に「(自分の身に)万が一何かあった時のために分けておいた」と説明しているという。

 もし、実際に家族に贈与していたとすると、家族間でも贈与税の支払い義務が発生し、贈与された小沢氏の妻らは贈与税を支払わなければならなかったことになる。また、今回、小沢氏は家族名義の口座から引き出した現金を、元赤坂にある小沢氏の個人事務所の金庫に保管したと、会見の配布文書などで説明しているが、自身に何かあった時のために家族に贈与した資金を、再び自分の事務所に保管するというのは不自然といえる。

 一方、これらの資金が家族に贈与したものではなく、小沢氏自身の金を家族の名義を借りて、銀行に積み立てていたとしても、問題は残る。

 国会議員の資産公開は93年から始まったが、本人以外の名義の資産は公開の対象になっていない。小沢氏の資産報告書ではこれまで、「預金・貯金・郵便貯金・金銭信託」(普通預金などを除く)の項目は、いずれも「該当なし」の記載となっている。

 口座の名義を妻や子供にしていたことは、資産公開の制度の抜け道を利用して、公開を逃れる目的だったと見られても仕方がなく、今後、小沢氏にはさらなる説明が求められることになりそうだ。

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