「あれ? 雨か・・・」
池袋にある起業18のミーティングルーム。
ブラインドの向こうの窓に、
雨が激しく吹き付けている。
夏の終わりには、夕立はあるものだ。
最近では、ゲリラ豪雨って言う。
「自転車じゃ帰れないなぁ・・・」
そんなことを思いながら、
やまない雨を見ていた。
「確か、あの日も、こんな雨が降っていたな。」
ふと、高校時代のことを思い出した。
今と変わらず、人間関係が苦手で、
高校を辞めることになった日、
久しぶりに学校に行くと、
下駄箱もロッカーもボロボロになっていた。
教室に行っても、知らない人が多い。
そりゃそうだ。行っていなかったんだから。
耐えられなくて、外に出た。
荷物は、残ったままだ。
でも、戻れなかった。
その時、今日のような、強い雨が降っていた。
「俺、辞めるわ」
本当なら、友だちにカッコよく、そう言いたい。
でも、そんなことを言う相手もいなかった。
完全なまでの負け犬だ。
人生は晴れの日ばかりではない。
今はそう思う。でも、あの日は目の前の雨以外、
もう、何も見えない自分がいた。
人生は晴れの日ばかりではない。
そうだ、今、そう思えるからこそ、
思い出せることがある。
あの日、僕は、目の前の雨のおかげで、
外を歩いている人に、泣いていることが、ばれなかった。
だから、雨が上がる前に、歩き始めていた。
雨の中、歩き続けることができた。
人生は捨てたもんじゃない。
目の前の出来事から、
必ず何かを得ているのだ。
絶望の中にいたとしても、
遠くの空から、光が差し始めているのだ。
そんなことを思いながら、
夏の、雨の一日が、終わる。
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