文学作品を読んだようだった。
「読後感」の映画に相当する言葉が無いことが惜しい、と思いながら、鑑賞を終えて感じたことが冒頭の一文だった。
実家に帰省し、紅白歌合戦の録画を見て三が日の最終日を過ごしていた。
主題歌である米津玄師さんの「IRIS OUT」の演出や考察が楽しく3回見た。
(「この世で君だけ大正解」の時のピースが可愛過ぎないか???)
弟も帰省していたのだけど、私と過ごす時間が多ければもう少し過ごし方が違ったのかもしれなかった、と母から聞いた。
それならば、と勢いで言ったのが「チェンソーマン観に行こうぜ!」。
「今から?!」と驚きつつ、「まぁ良いけども」と前向きな返事をくれたので、早速上映時間を調べることに。
正直、4ヶ月前に公開された映画がまだ上映されていることに兄弟揃って驚いた。
とはいえ、1つの映画館で1日に1度の上映。
良くて2回だった。
何とか合う時間の上映があったので、予約をして映画館へ。
紅白歌合戦での演出との比較をしながら最初は観ていた気がする。
電話ボックス、白のガーベラ、主題歌の響き方は映画館だとやっぱり質量を伴うな、とか。
原作は読んでいたがアニメは見ていなかったので、マキマさんはこういう話し方なのかと初めて知った。
デンジに心があるのかというところが個人的には好きだった。
ここはボキャブラリーのなさが浮き彫りになるので恥ずかしいのだけれども。
BGMが落ち着いたものを使われていたり、ゆったりした表現があったりというところが冒頭の一文に繋がった一因ではある。
レゼというキャラを知っているので「きっと可愛く見えているんだろうなぁ」という姿勢で観ていた。
知っているから、まぁ、敵対するのもそのまま受け入れちゃうんだろうなって思っていた。
そんなことはなかった。
詳細はもちろん伏せるのだけど、りんご飴、とだけ。
あれはズルいだろうと思った。原作にあんな表現はあったっけ。
知っていたはずのレゼの切り替わりとレゼの行動と、演出に鳥肌が立った。
そこからは緩やかさはなく、でも時に静止などの緩急を含めつつの怒涛の戦闘シーンだった。
(ここからは順番がバラバラになっていると思う)
劇中歌の「刃渡り2億センチ(全体推定70%解禁edit)」が大変良かった。
マキシマムザホルモンさんかな?と思っていたら合っていたので良かった。
個人的にはビームの「チギャウ……チギャウ……」が好きで、それを聞きたい気持ちが大きかった。
映画館で実際に聞いた時は、声を押し殺したけどもあまりの可愛さに笑ってしまった。
あそこのシーンだけ繰り返し見たいほどに好き。
あとは個人的に暴力の魔人も好きで。(ビジュも性格も)
出てきた時はにやにやしたし、動いているのが見られて嬉しかった。
後はコベニちゃんの演技がとても可愛かった。
アキが天使の悪魔の手を握るところも知っていたけど、やっぱり一連の動きがあるとより感じ方は変わる。
最後の沈むシーンはとても幻想的で美しいなと思った。
本質からズレたことを言っているだろうけど、愛だなぁ、なんて。
海辺のビームのイビキに癒された。
でも、優しいところはそこで終わりだった気がする。
レゼの仕留められ方は美しかった。残酷だけど。その分、切なかった。
天使の悪魔も美しかった。悪魔だよって言っていたのに「…まぁ、天使ですから」なんて。
きっと最後の切なさや、プールや海の青もあいまって、冒頭の一文に繋がったのかなと。
血生臭い赤の物語のはずなのに、物悲しい青で締められていた気がする。
それは、文学作品を読んだようだった。