こんにちは!
今日は、私が最近読んだ本のなかで心に残った次の2冊をご紹介します。
まずは、
安達正勝『死刑執行人サンソン 国王ルイ十六世の首を刎ねた男』(集英新書、2008.)

これは、フランス革命期にパリで死刑執行人を務めていたシャルル=アンリ・サンソンという人の実話です。
みなさん、死刑執行人についてどのような印象をお持ちですか?
私はこの本を読むまで、罪人とはいえ人の命を奪うという点でやはり否定的な、恐ろしい印象を持っていました。
当時フランスでは死刑執行人は国王と同じ世襲制。
生まれたときからこのシャルル=アンリは死刑執行人になることが運命付けられていました。
死刑執行人の一家に生まれたことで学校には行けず、職業を隠して公爵夫人と共に食事をしたことで訴えられ...
日常生活の至る所で、死刑執行人という名前が世間から除け者にされる彼に重くのしかかっていました。
そして何より運が悪かったのは、彼が死刑執行人であるその時代に革命が起きたこと、そして一日に何人もの人命を「処理」できるギロチンが発明されてしまったこと。
日本では、フランス革命は民衆が王政に打ち勝ったという漠然としながらもどこか肯定的なものとして教授されることが多いと思います。
しかし、そこには亡き国王たちの財政上のツケがまわって来たときに「たまたま」国王であった男、心から尊敬していた国王を自らの手で処した死刑執行人、首を掲げる民衆を見て革命に異を唱えた民衆たちなど、伝えられていない側面が数多くあります。
サンソン自身敬虔なカトリック教徒だったこともあり、国王を処刑して以来毎年その処刑日にはミサを挙げに神父のもとに通っていました。(この話はバルザック『知られざる傑作 他五篇』(岩波文庫、2004.)に収録されている『恐怖時代の一挿話』に詳しく描かれています。)
シャルル=アンリ・サンソンが遭遇したあまりにも悲しい現実。
歴史的事象であれ、必ずそこには顔を持った人間一人一人が存在しているということを、改めて感じさせてくれる本です。
2冊目は、
ベルンハルト・シュリンク『朗読者』(新潮社、2000.)

こちらは15歳の少年が36歳の女性に恋をしてしまうことから始まる完全なるフィクション。
刊行後5年で20以上の言語で翻訳され、全世界でベストセラーになったドイツ文学です。
悲しい愛の物語であるこの作品の鍵になっているのは、ナチス時代の戦争犯罪。
一貫して悲しくかつ美しい愛が描写されていながらも、この戦争犯罪という思いテーマにちょっとした視点をもたらしてくれるのがこの物語です。
ネタバレになってしまうので詳細は控えますが、読了後に感じるのはサンソンの話と同様、やはり「歴史のなかの顔を持った人間」です。
歴史に残るあらゆる事象には一人一人、違う人生を生きた人間が関わっていること。これは歴史理解の中で常に念頭に置いておかなくてはならないことだと思いました。
大学に入ってから私の世界は日々広がってきましたが、同時にこのような今まで自分が持っていた考えや知識を見直す、訂正する必要を強く感じる経験もしてきました。
学生であれ社会人であれ、自分の頭に持っているものの補充、更新は生きている限り人間の義務であることを常に忘れずにいたいものです。
今日は、私が最近読んだ本のなかで心に残った次の2冊をご紹介します。
まずは、
安達正勝『死刑執行人サンソン 国王ルイ十六世の首を刎ねた男』(集英新書、2008.)

これは、フランス革命期にパリで死刑執行人を務めていたシャルル=アンリ・サンソンという人の実話です。
みなさん、死刑執行人についてどのような印象をお持ちですか?
私はこの本を読むまで、罪人とはいえ人の命を奪うという点でやはり否定的な、恐ろしい印象を持っていました。
当時フランスでは死刑執行人は国王と同じ世襲制。
生まれたときからこのシャルル=アンリは死刑執行人になることが運命付けられていました。
死刑執行人の一家に生まれたことで学校には行けず、職業を隠して公爵夫人と共に食事をしたことで訴えられ...
日常生活の至る所で、死刑執行人という名前が世間から除け者にされる彼に重くのしかかっていました。
そして何より運が悪かったのは、彼が死刑執行人であるその時代に革命が起きたこと、そして一日に何人もの人命を「処理」できるギロチンが発明されてしまったこと。
日本では、フランス革命は民衆が王政に打ち勝ったという漠然としながらもどこか肯定的なものとして教授されることが多いと思います。
しかし、そこには亡き国王たちの財政上のツケがまわって来たときに「たまたま」国王であった男、心から尊敬していた国王を自らの手で処した死刑執行人、首を掲げる民衆を見て革命に異を唱えた民衆たちなど、伝えられていない側面が数多くあります。
サンソン自身敬虔なカトリック教徒だったこともあり、国王を処刑して以来毎年その処刑日にはミサを挙げに神父のもとに通っていました。(この話はバルザック『知られざる傑作 他五篇』(岩波文庫、2004.)に収録されている『恐怖時代の一挿話』に詳しく描かれています。)
シャルル=アンリ・サンソンが遭遇したあまりにも悲しい現実。
歴史的事象であれ、必ずそこには顔を持った人間一人一人が存在しているということを、改めて感じさせてくれる本です。
2冊目は、
ベルンハルト・シュリンク『朗読者』(新潮社、2000.)

こちらは15歳の少年が36歳の女性に恋をしてしまうことから始まる完全なるフィクション。
刊行後5年で20以上の言語で翻訳され、全世界でベストセラーになったドイツ文学です。
悲しい愛の物語であるこの作品の鍵になっているのは、ナチス時代の戦争犯罪。
一貫して悲しくかつ美しい愛が描写されていながらも、この戦争犯罪という思いテーマにちょっとした視点をもたらしてくれるのがこの物語です。
ネタバレになってしまうので詳細は控えますが、読了後に感じるのはサンソンの話と同様、やはり「歴史のなかの顔を持った人間」です。
歴史に残るあらゆる事象には一人一人、違う人生を生きた人間が関わっていること。これは歴史理解の中で常に念頭に置いておかなくてはならないことだと思いました。
大学に入ってから私の世界は日々広がってきましたが、同時にこのような今まで自分が持っていた考えや知識を見直す、訂正する必要を強く感じる経験もしてきました。
学生であれ社会人であれ、自分の頭に持っているものの補充、更新は生きている限り人間の義務であることを常に忘れずにいたいものです。