その二 気弱な魔女
「ごめんなさい。本当にごめんなさい」
もう何度目かもわからないけれど、少女はまた謝った。
何度目、というより何十回目といったほうが正確かもしれない。
おじさん達が宿屋を出てから約30分後。
おじさん、おばさん、レイラさん、それに他の町の人たちがずぶ濡れの状態で帰ってきた。
そして風邪を引いてはいけないので、現在お風呂に入っている。
俺達はおじさん達と一緒に宿屋にやってきた少女と、みんながあがってくるのを一緒に待っているんだけど……。
「本当にごめんなさい…」
「事情を知らなかったのですから、しかたありませんよ」
謝り続ける少女を、お兄さんがずっとなだめている。
どこからどう見ても「魔女」という姿をした少女だけは濡れていなくて、みんなを待つ間、俺達と同じテーブルを囲んで待つ事になった。
栗色のふわりとしたボブヘアに、大きな桃色の瞳。
胸元で両手をぎゅっと握り合わせ、眉は八の字。
気が弱いのが一目でわかる少女は、大きな瞳を潤ませ、視線をずっとテーブルに落としている。
発する声も小さくて、自己主張とか苦手そうだ。
というか、人見知りの小さな子供みたいにも見えてくる。
見た目からして同い年くらい。
