ぴーたんHouseでは先週末に、ウロコインコに巣箱を設置いたしましたが、鳥飼いさんの中でも「1度巣引きにチャレンジしたいなぁ~」とか、「自分の飼っているこの子の雛を1度見てみたい」と思っておられる方はわりと居られるのではないかなと思います
ブリーダーや経験者からすれば、当たり前に思うようなささいな事であっても、巣引きをしたことがない方にとっては、なかなか巣引きをする事自体の敷居が高く、あこがれてはいるけど結構勇気がいる事(小さくはあっても命に関わる事ですから、軽い気持ちではできないという思いは当然ですよね)だと思います
勇気をふりしぼってチャレンジしたとして、経験のない方が実際に巣引きを始めた時に最初に当たる問題の1つが、巣箱設置についてなんですよね
いろいろ迷っちゃうんですよねぇ(経験談)
どんな巣箱が良いのか・いつつけるのか・どうやってつけるのか・なかなか巣箱に入らない・そもそも本当に雄雌なのか・などなど、悩みは尽きないと思います
巣箱を設置できても、巣上げのタイミング・さし餌の仕方・餌の種類など、次から次に質問したいことがいっぱい出てきますよね
巣引きにあこがれる方のそんな悩みを一つでも解消できればと思い、今回はわりと手軽にできる、「大きくないかごに外付けの巣箱でインコの巣引きをするためのお話」をしてみます
ちなみに大きいケージの場合は、中付けで特に問題ないと思います
まずは巣箱の高さについて、巣穴の位置はケージの上の方がおすすめです
鳥さんのケージ自体もそうですが、基本的に人間の目線と同等の高さか、それよりなるべく上に居ることで鳥さんは安心するそうです
ただし上過ぎると、お世話をする時にいろいろ危険ですので、ケージや巣箱を地面付近にさえ置かなければ、高さの問題はあまりないと思います
荒鳥と手乗り鳥でも違いますが、基本的には荒鳥の方が巣引きは上手くいきやすいです
巣引きの時期については、鳥さんの種類と普段の環境で変わりますが、室内飼いのウロコインコやオカメインコは春と秋が多いですね
室外飼いの場合は秋に巣引きをしてしまうと、育雛が冬になってしまうので、春だけという方が多いように思います
(夏は…巣箱の中は暑すぎ、冬は寒すぎなので、必然的に春と秋になります)
自然界でも春か秋のどちらかが基本で、食性の問題(穀物食の場合と雑食や果実食・蜜食など)や南半球の鳥さんの季節の問題(日本と逆)もあるのですが、今や冷暖房にペレットもあるので、寒暖や食性などの問題は昔ほど限定的ではなくなってきましたので、季節的な発情期(温度・湿度と紫外線の強さと連続明期・暗期の推移など・あるいは発情対象の有無でも変わります)などで巣引きの時期を決めると良いのではとも思います
ただ同じ鳥さんを年2回巣引きしたり、1歳未満の鳥さんや老鳥さんで巣引きするのは、鳥さんの体力的におすすめしません
また、発情・産卵の抑制も環境や個体によっては必要かと思います
そうはいっても、自然界の鳥さんはみなさんつがいか集団で行動してますから、巣引きするしないに係わらず、せめてパートナーくらいはつけてあげたいなとは思いますね
ぴーたんHouseも明るい家族計画って感じで、増えすぎない程度に巣引きして参りたいと思います
ところでウロコインコに関しては巣箱を寝床代わりにする性質を持っているので、常時設置しているブリーダーも多いです
巣箱の種類の前に、どんなケージ(かご)に巣箱をつけるかによって巣箱の種類も変わります
一部のブリーダーは、自然に近い形にするために大規模なスペースに放鳥しながら、自由な巣箱に入れる…相手も自由に…なんて豪快な方法(コロニーと呼びます)を取られている方もおられますが、一般的な飼い鳥としては1ペアでかご1つという方がほとんどだと思います
ところが、その唯一のかごに穴をあけるのにはとても勇気がいることですよね
しかもステンレスケージやら、豪華なケージは頑丈でなかなか(物理的にも精神的にも)切れません
なのでぴーたんHouseでは、巣引き期間中とそれ以外では、ケージを使い分けています
巣引き用のケージは少し小さめで、網を小さな力でも切りやすいケージにしております
巣引き用ケージは、ニッパーで簡単に切れそうなケージがおすすめです
縦網の真ん中辺りを、巣箱の巣穴前のステージの幅に合わせて切ります
真ん中辺りというのがポイントで、上や下で切ってしまうと、切り口がかなり危険な状態になってしまいますので要注意です
あまりかごを切りたくない方は、ステージを小さめにすると良いですが、鳥さんの種類や個性によっては、逆にステージがない方が巣引きがうまくいく事もあります
ステージがない場合は切り口で怪我をしないように気をつけて配置して上げてください
ステージの有無や種類は、究極的には飼い主が個性を見抜いて判断という事ですね
よくわからなければ、わりと適当でもいいと思います
鳥さんによっては、ステージや巣箱内の踊り場はかじられてなくなりますので、なくなる前提で後付けできるものもあります
必要分の網が切れたら、次は折り曲げて磨耗劣化させてちぎります
ニッパーの切り口は鋭いですが、手で折り曲げて劣化させた切り口は鈍化してますので、あとはやすりやサンドペーパーなどで、なめらかにしておくと安全です
最後に巣箱を挿入して固定すれば完成です
巣材に関しては、前回まではわらマットと木くず(下の写真でれおん🐇が乗っているモノ)をいれておりましたが、今回は兵庫県のプロのブリーダー様が以前におすすめされていたヤシマット(下の写真でイスの上)を、今回試しに使ってみます
巣箱には、主に縦型と横型があります
また、前開きと後ろ開きの他にも横開き、蓋しかないものなどがありますね
外付け巣箱は、後ろか横開きがおすすめです
中付け巣箱は、前開きがおすすめになります
縦型の特徴は、雛が成長するまでは巣箱から出てくることはなかなかないでしょう
デメリットは狭い事ですが、雄が外にいるタイプのペアは問題ないでしょう
また、交尾が下手くそなカップルには狭い方がちょうど良いかもしれませんね
横型の特徴は広いことですので、雄も抱卵するタイプはこちらの方が良いでしょう
子だくさんのペアはこちらにしないと、親に踏まれて小さな雛がかわいそうな事になります
デメリットは雛のいるところから入り口まで近いので、やんちゃな雛が時々ケージに落っこちてきます
それに気づかなければ、とても悲しい思いをすることになるので、巣上げ前などは頻繁に見る必要があります
また、巣箱の中を定期的にチェックする場合について、ほとんどの鳥さんはのぞかれるのを嫌がります
のぞいた事が原因で巣引きが失敗になるケースは、他のブリーダー様のブログなどを拝見する限り、非常に多いと思われます
失敗といっても、孵化しない程度のものから残酷な事件になる場合のものまでいろいろありますので要注意です
基本的な巣箱設置から雛誕生までの流れは
巣箱設置
↓
巣箱に興味を持つ
↓
巣箱に出入りする
↓
雌は入りっぱなし(産卵・抱卵)、雄は門番
↓
雄の食餌量が増える(雌・雛にあげる分も1羽で食べる)
↓
雛の声が聞こえる
↓
雛が大きくなると雄からもらう餌だけでは足りないので雌も食べに来る
↓
巣上げ
という流れになります
巣箱にいりびたるまでにかかる時間は個性ですね
早いペアは巣箱設置からすぐに産卵してくれますが、遅いペアは数ヶ月かかったりします
オカメインコとウロコインコだと、経験的にですが、どちらかというとオカメインコの方が早く産卵モードに入ってくれるような気がしますね
産卵は鳥さんの種類にもよりますが、たいていは2日おきくらいになります
(鶏さんはほぼ毎日ですよね
)
ちなみに産卵イコール抱卵というわけではなく、何個かそろってから抱卵を始める鳥さんは多いと思います
そうすることで、孵化の時期がある程度そろいます
抱卵を始めてから順調なら17日くらい(温めかたによってはもう少しかかる場合もあります)で孵化します
温め始めて(発生)から、数時間温めない時間があったりすると、中止卵になりやすいです
有精卵か無精卵または中止卵は光にかざすとわかります
有精卵の場合は抱卵後数日で血管や心臓が見えます
孵化1日前になるとまだ卵の中なのに、声が聞こえたりもします
中から頑張って卵のからを割ってでてきますが、湿度が低すぎるとたいていはこの段階で力尽きます
特に秋から冬に孵化する場合は湿度管理が無茶苦茶成功率に関係しますので、適当にはしないようにしてください
雛の声が聞こえたら見たくなる気持ちは、すご~くわかります
それでもそういう関係がしっかりできている鳥さん以外は、のぞかないようにしましょう
ただし、健康上不安のある鳥さんなどは、軽く生存確認はしておく必要があります
雄が雌にしっかり餌をあげないと、雛の前に親鳥が参ってしまいます
飼っている鳥さんの個性に合わせて、巣引きを検討している方は、参考にしてください
巣引きして、雛にどんな種類が生まれてくるのかを、考えたり楽しみにしたりするようになれば、もう気分は立派な?ブリーダーですよね
ぴーたんHouseでうまれた雛は里親様を募集することがありますので、その場合はコメントではなく、メッセージかメールでお問い合わせくださいm(_ _)m
ptanhouse@gmail.com
雛が生まれるまではしばらく時間がありますので、近いうちに遺伝について書いていこうかなぁと思っています
もしご質問などありましたら、わかる範囲内でおこたえいたしますので、こちらはコメントでもなんでも大丈夫です
お気軽にご連絡ください