祖父が灰になった日。
24時前に横浜へ到着。
今日はじいいちゃんと同じ部屋に寝る事にした。
細くなった体。
布団を並べて寝て。
浅い眠りに入った。
3時間くらいしか寝れないが
風呂をわかして熱いお湯につかる。
掃除や
整理
棺おけに入れるもの
ビシッとした喪服
防虫剤のにおいがする
親父の喪服がやけにかっこよかった。
出棺の日
葬儀屋が来て
深く頭を下げた
すごく良い天気。
きれいな火葬場。
家族3人で火葬場。
きれい過ぎてまぶしい。
ピラフ、母が作るほうがうまい。
火葬場で
親父はゆっくり泣いた。
小さい体にいっぱい深呼吸して
ハンドタオルで目を押さえて
黙ってうつむいたまま。
この2日間で
良く成長したもんだ。
感心した。
簡単な葬式だった。
わずかに人が来て
皆挨拶などを済ませる
皆、俺をみてじいちゃんに似てると話した
皆も葬儀屋も親も病院の先生も
「96歳ですから、仕方ないですよ」と話した。
俺はこの仕方ないという言葉が大嫌いだ。
でもその言葉しかないから
使わないと仕方ないと思う自分も嫌いだ。
最後に、
じいちゃん、見舞いいけなくてごめんよ。
話をいっぱい聞けなくてごめんよ。
健康なくせに部屋でダラダラしてる自分が情けない。
じいちゃん、寂しかっただろうに。
俺はなんて恵まれているんだろうか。
時間なんていくらでもあったのに
お見舞い行かなくてごめんね。
こんな形でしか会えなくて
ごめんね、じいちゃん。ごめんなさい。
大きく笑うじいちゃんの顔や
運転をする顔
飯を黙って食う姿
仕事中、机で丸くなる背中
かかとの潰れた革靴
すべてがじいちゃんで
帰り道
青く高い高い空が
大きく大きく広がって
帰りの車の中
骨壷を抱く助手席に座る俺
思い出話に笑った事を少し後悔して
幸せだ。俺はおめーの孫で、幸せだ。
まだまだ俺はそっちにはいかねーけど
先にいったばあちゃんと一緒に
また仲良くやってくれよ。
大好きだぜ。じいちゃん。
俺はじいちゃんと違って
地獄に落ちるから
あえねーかもしれねーけど
さようならはいわねーよ。
さよならはいわないよ。