ひぐらし
旅の途中なので
静岡の実家によってみる
母はパートでいない
自分の部屋
この小さな部屋に
小さい頃、俺は何を思ったか
小さな宝箱だったり
財宝のありかを探したり
今なんてまぁ
使えなくなったビデオデッキ
ゲームのポスター
悪さに使ったアホみたいにでかいコンピューター
黙って本を黙々読んだり
そして、ここで泣いたり
ひでぇいじめの傷を癒してくれたぬいぐるみの数々
画材の絵の具の匂い
爪を割れても叫んで弾いたギター
全国中校生詩集コンテスト金賞のトロフィー
毎日新聞高校生読書感想文コンテストの審査員特別賞の賞状
(しかも、4枚。はい、ダブってるからね!うるせっ!)
富士サファリパーク動物の絵小学校の部最優秀賞の盾
まぁ自慢だけどね
でも完全に文系(笑)
あー、昔は昔なりにバカでも純粋なバカだったよなー
血と汗と涙とオナニーの匂いがこびりついたベットと枕
初めて吸ったセブンスターの味
警官が令状持って沢山着た部屋
懐かしい匂いと痛み
ずーっと忘れてたこの間感覚
親が喧嘩するたびに
良く泣いてたっけ?
泣き虫だったから
恋で胸が痛くなったり
受験で悩んだり
不登校になったり
グレたりなんかして
こんな家が嫌だと
15で夢のない家を出たら
愛のない人たちに会い
愛のない人へと変わった
そしてまた戻ってきたら
20にしてなぜか虚しく
なぜか涙が出て
リュックもウォークマンも外さず
部屋のドアの前で
肩をガタガタ震わして泣いてる
こんな姿、親に見せられないね
だって、嫌で出てたってのに
でもよ?
いつも、なにをしても
この部屋は何も変わらず
俺を待っててくれてる
こんな俺でも帰る家がある
帰る部屋があることに
胸が熱くなり苦しくなる
死のうなんて考えたら
昔の俺が殺そうとしてくるな
「ばーか!天才は泣かないし、挫折なんかしねぇんだよ!何してんだよ?暗いんだよ、笑えよ。」
ってよ
昔の俺に怒られないようにしなきゃな
憎しみや怒り
それだけで生きてきた
人一番プライドが高いんだ
バカにされるのが嫌いだから
バカにされないように
背伸びして生きてきたんだ
バカにされても、陰口叩かれても
ハングリーでここまで来た
ちくしょう!
ちくしょう!
ちくしょう!
ちくしょう!
ちくしょう!
何してんだよ?俺は。
何がしたいんだよ?俺は。
苦しくて
悩んでも誰も解ってくれない
目の前の壁が高すぎる
遠くから歌を唄う声が聞こえるが今は楽しく唄えそうにない
綺麗な花をみても
華麗な踊りを踊っても
優雅に食事をしても
豪華なドレスを着ても
高揚するような恋をしても
繊細な物を見ても
今の俺には何も感じないんだよ
まるで拒絶してるかのように
何も感じなくなってたよ
ここにくるまではそれが普通で
いや、何が普通なのもよくわからなかった
それほど俺は腐ってたんだ
嘘をつきすぎて声が出なくなった
人を笑って生きてきた
だから神様が笑われる側にまわしたんだ
死んで良いよ。
なんて言われてる気がして
小さい人間と今やっときずいた
田舎は良いね
外ではヒグラシが鳴いてる
5年前までこれが普通だと思ってた
普通は変わるものと確信した
泣いたって
抜かされたって
歩いていかなきゃと思ったよ
俺の足は腐ってるけど
足首になっても
膝になっても
歩いてやる
足が無くなっても
体を引きずりながら
歩いてやる
2本の道があるのなら
俺は真ん中を歩いてやる
壁や草や木があろうと
俺は真ん中を歩いてやる
いや
真ん中を歩いてみせる
こんなにすげー奴はいねーって言わせてやるんだ
見返してやるんだ
綺麗なものは綺麗と言えて
楽しい歌を死ぬほど大きく叫べるように
昔の自分に負けないように…