夜中に警察官が来た。


佐々木と名乗った人は刑事だった。


私の目の前に『逮捕状』と『家宅捜索令状』を出して

『ご主人を逮捕しました。これから家宅捜索をするので、中に入れてもらえますか?』



訳がわからない。

でも……夢じゃない。
現実だ。。。。




半信半疑だったけれど、令状がある事と佐々木刑事の威圧感に、私はドアを開けた。


「子供たちを起こしますので、ここで………」


子供たちを起こして話をする間、玄関で待ってもらおうとしたが、


『一緒に入らせてもらいます。』


「・・・・・・」




私の後ろにピッタリとくっつくように佐々木刑事はついてきた。





子供たちに声をかけて起こした。


パパが帰ってきたと思っていた子供たちは、知らない男性が部屋の中に入って来たのを見て驚いて私にしがみついてきた。



大丈夫だよ…………と抱き寄せたが……………大丈夫などではない。




佐々木刑事は

『子供さん達を預かってくれる所はありませんか?奥様のご実家はどうですか?』


と聞いてきた。




こんな所に子供たちを居させるわけにはいかない。

実家に連絡する許可をもらい、電話をかけた。



当然ながら、驚いている両親。

これから子供たちを連れて行くので預かって欲しい事を話し、警察の車に子供たちと乗った。


同じ車に佐々木刑事も同乗。

車に乗る前にいろいろと指示をだしていた。


送ってくるから、待機しているように………
帰ってきたら、すぐに始める………


という内容の話し声が聞こえた。







車の中には……

運転手・助手席に私服警察官
後部座席に 私・子供たち……そして佐々木刑事。


真夜中のドライブがはじまった。。






あたりは真っ暗。


私の気持ちも闇に包まれていた。


この暗闇がどこまでも続く事になるとは、思いもしなかった。