亀の歩みで恐縮ですが、玉石混交のジャンク品落札で、車両の数だけは異様に増殖したけれども、実際に使える車両は相当少ないという貧乏鉄道、貧畿日本鉄道(略称:PNR、通称:プアレール)でございます。
カッターナイフで床板と側板を外して完全分解するうちに、ペーパーキットと思われるこの車両に歪みがあることがわかりました。あら、これ既製品ではないのかな。何か裏面に採寸したようなボールペンのマーキングが複数箇所残ってます。自作なのかな。いや、それにしてはこのプレス加工はできないでしょ。ペーパーにプレスして窓の枠?、Hゴム部分を段差付けたりしている。これって、自作の世界で普通にやられた技法なんでしょうか。私は知らないです。
これもねぇ、硬い金属と木の棒かなんかを使って、紙に押し付けたら、エンボス加工ができるんじゃないだろうかと妄想はしてます。プレスというより、エンボスですね。クレカに文字打つ刻印みたいなことです。クレカで思い出すのは昔は柔らかいものなら、クレカにカーボン紙置いて、鉄板みたいなので擦るとカーボンに字が転写されるとか、ああいうメカニズムで窓抜きや段差の加工がホイホイと出来たら、楽は楽ですよね。まぁ、そんなものはレーザーカッターとか、その他の方法があるみたいなんだけど。
それはそうと、この他作模型の歪みは直せるのか?
右下に変なものが写ってますが、これは急行「まつしま」の全面真鍮製パーツの哀れブレーキ液ぶっこみ後の金ピカな禿頭です。本題は真ん中の側板、物差しの両側に沿わせてみたら、右側は一直線で沿っていますが、左は下から上に行くに従って曲がってしまっています(直線的にカクッと曲がっているのではなく、なぜか円を描いている感じ)。
最初は、これはヒノキの棒が歪んでいて、それに引きづられて曲がってしまっているんではないか、みたいなこと考えたけれど(そんなことってあるわけないです、多分)、どうも元々の紙が歪んでいたということでした。
これが製品レベルで市場投入されていたとすれば、不良品ですよね。不良品をそのまま利用して、紙が歪んでいるラインに沿って頑張って桧の棒を貼って、それを屋根板に接着した。それでは真っ直ぐ付くはずはないので、接着の剥がれがあったのかなと。とにかく、これは謎過ぎます。
あとは、どうしても乗降ドアの抜き方が裏返しになっていて、客席側=内側に向かって奥に引っ込んでいるはずのものが、外側に段差がついている。これはおかしい。一体どう直したらいいのか。103系とかみたいに箱型の車体ではなく、床に向かってすぼむ形状なので、内側に向かって角度がついている。もし裏返しという見立てが正しいのなら、これもやり直さないとならない。うーん。
それは良いとして、ここまで歪んだものをどう治すか、まぁ、直線が出ている箇所を把握して、円弧上に窓が配列されているのか、途中までは直線で、それ以降が歪んでいるだけなのか、の判断が必要ですね。
ということで側板2枚をスキャンして、精査することに(特に優先順位が高くない車両に何をやってるんだか)。
白枠がまあ許容範囲の部分、そこから黒線のように曲がっています(若干ズレてるけど、恐らく円形に曲がっているためか)。謎。やり直しか、継ぎ接ぎか。後者を選んでみましょう。何か、ニワカの美術品修復屋さんみたいな作業になってきた。ここで見立てたラインで切断して、そこをケント紙とパテで埋めて、サフ塗ってヤスってとかいう作業でしょう。
そして、ダイソーの旧名おゆまる君、今「おゆプラ」になっているらしいやつで、正面真鍮パーツの複製をやってみようとしました。
お湯に漬けて、型押し、冷めてから抜いてみたけど。失敗だった。窓の部分から裏へはみ出しちゃってました。
注意してやらないと。その他、平らになるべき部分に不要な凹みが出来てしまいました。これに石粉粘土なり、レジン液流せば複製できるかなと思ったけど、もうちょい慎重に型押しやらないと全然使えないということがわかりました。おそらく台車の複製もこれか、あるいは塩ビの板に台車押し付けて加工すると思います。
おでこの行き先表示なり、急行とかの表示の部分にパーツが全く無いのが痛いと言えば痛いですね。欠品しちゃってたので、ここも何とかしないとダメです(真鍮工作かぁ、面倒だからプラ板かな)。この正面の顔パーツ、柔らかい真鍮が結構歪んでたんで、これでもペンチやプライヤーではさんで平らにした後です。


