櫻の咲く頃に | ぽぉ~のぶろぐ
$ぽぉ~のぶろぐ-櫻の咲く頃に
 
親父と親友の話。
 
親父の親友Oさん 3.11の時、自宅が結構な被害にあい
修理とか掃除とかしてた時 誤って転んで打ち所が悪く全身の自由が利かなくなってしまった。
 
それから盛岡の病院に入院し
よくなりつつあった時にリハビリセンターに通うようになり
うちの親父は病院にも見舞いに
リハビリセンターにも見舞いに行き一緒にリハビリを頑張ってた。
 
ある程度言葉が喋れるようになり
手も動かせるようになったのだが足だけは動かず
車椅子生活で自宅に帰ることになった。
 
親父の親友で昔からの友人。
 
僕が小さい頃 飲んでる親父をおかあさんと迎えに行くと
必ずと言っていいほどそのOさんと飲んでいる
 
物凄く言葉が悪く 飲むと下ネタもひどい
だけどその目の奥にはやさしさが広がってるって 子供心にわかる人でもあった
 
うまく接することが出来ないまでも 男の優しさを感じる人でもあった
 
僕の家にもしょっちゅう顔を出し 朝まで飲みあかす仲である。
 
そんな元気があり威勢がよく強面のOさんが
体が動かなくなると同時に飲みに来れなくなった。
 
親父の顔に寂しさが浮かび上がる。
 
そんな親父を見てて 俺も寂しく思う。
 
震災前の自宅でした花見の時
僕は前の日から海に釣りに行ってて 昼ぐったりして家に帰ると
Oさんら数名と花見が始まってて
俺が顔を出すと決まって一番最初に大声で俺の名前を呼んで絡んでくるいつものOさんがいた
「おめぇ!朝がえりならまだしも昼帰りってどういうことや!」と
僕の肩をがっつりつかんで事情を説明しろと正座させる
僕はその力に負け コンクリートのうえに正座させられ事情を説明し
クーラーボックスの中の鱸とアサリをOさんに謙譲w
「許す!」と言われ釈放された
 
はずだった
その場をはずそうとしたら 「まで!まだだ!魚さばいてけ!」と・・
当然ですよね まるまる1匹置いてったからw
その場でさばいて振る舞って それでもその場を離れさせてくれない
とりあえず一緒に飲めと・・
 
昔から俺にだけ厳しく やたらと絡んでくる理由をそれとなく
おかあさんに聞いてみたところ
Oさんは婿で子供が3人とも娘だからなんじゃないかって・・
息子ほしかったらしいからね と。
 
なるほどな と。
 
でもまぁ僕も嫌じゃなかったし 
アレがOさんの絡み方なんだろうなって思ってたしね。
 
でも震災後 
Oさんは顔を出さなくなった。
 
親父が寂しがってるのがわかる。
この間 親父の実家の屋根塗装の時に確認してみた
Oさん今年はくるのかな これるのかな?って
したら 「来てほしいんだけどな・・」って親父が寂しそうに言った
ほんと目が悲しい感じだった。
俺もまた普通に絡んでほしいってのと 親父が心から楽しんでる顔が見たくて
ほんと気にしなくていいから来てほしいのにな。って言った
 
今年もうちの櫻が満開になり我が家恒例の花見が開催された。
 
$ぽぉ~のぶろぐ-櫻
 
親父・おかぁさんの友達がそれぞれの料理を持ち寄り
10人前後で大宴会
 
やっぱり親父勢は少し寂しそうだった Oさんが来てないからだ
 
民謡もやってた人でかなり声もよく 
事情を知らない人もOさんの声が聞きたいと楽しみに来てたが 
結局顔を見せなかった。
 
櫻の咲く頃に花見するべ 
 
親父がOさんに言った この約束は残念ながら守られることが無かった。
 
親父も寂しかったかもしれないけど
俺も寂しかった
 
迎えに行こうと思っておかあさんに言ったけど
あっちの家の事情もあるし
仲間に入りたいけど自分の今の現状をさらしたくないっていうOさんの気持ちも
察してあげろと言われ
 
迎えに行くのを諦めた。
 
 
来年こそは 櫻の咲く頃に Oさんに会いたいな と。。