月末は彼の誕生日。 


何かほしいものある?と聞くと、

 毎年のことだけど、

 うーん、いらないかなと彼が言った。


 外食にする?

私がごちそう作ろうかな、と、

これまた毎年の流れとなる。


 彼は私が家事が苦手だと思っているので、

 誕生日だからといって、

 作ってもらうのは気の毒だな、

 みたいなことを考えているらしい。


 確かに、 

何がいい?ハンバーグにしようかな、

カツレツにしようかな、パエリアもできる!

と言いながら、 

これまた毎年同じようなメニューが並ぶ。


 我ながら

 レパートリーが少ないとは思うけど、

 一応やる気は満々なのだ。 


 そんな私を見て、彼はいつものように

ふふっと少し苦笑した。 


 すかさず、何で笑ったの?と 

聞いたのだけど、彼はそれには答えず、


 それは楽しみだなあ、と静かに言った。