なんかね、今回はどうしたもんかなぁ、って思っちゃってね。ちょっと、メインのところのレビューをどうしようか迷い中なんで、周辺領域から攻めますね。
あたしの中で、今回の最優良シーンは、八重さんの死を告げるティモンディ高岸。いや、マジ、お芝居うまかったでしょ? 「あー、ほら、やっぱ、うまいじゃん!」って思ったんだよ。あたしの予想は合ってたね、的な?
これまでも、伝令とか、ものを運んでくるとか、逃げる先導とか、なにげに重要な場面を任されてるんだよね。あの喋り方は特徴的だし、見た目もなんとなく存在感があるから、目立っちゃうじゃん。だから、そんなピンポイントでひょいって出てきて悪目立ちしないかしら、っていつも心配するんだけど、意外とギリギリのところで収まってるなぁ、って思ってたわけ。そしたら今回、な、なんと! 八重さんの最期を伝えるすごく重要な役もらっちゃって。このシリアスな場面をどう演じるのか、期待しつつも不安も拭えない感じで見てたんだけど、うまかったよね。勘がいいんだろうなぁって感じがする。個人的には、第二の原田泰造になる可能性が高いと思ってる。独特な雰囲気があるし、ガタイが良くて見栄えがするし、いつもヘラッて笑ってるからわかりにくいけど、真顔になったら多分爽やかイケメンじゃん。顔小さいし。でもって、いるだけでなんか愉快なんだけど、シリアスな場面で浮かない、ってことならばね、これ、超優良物件では? けっこう推してます
あと今回は、とにかく新登場人物が多かった
まずは、何と言っても市原隼人。個人的に好みなんだよね。強面で笑顔がかわいいの。だから、めっちゃ楽しみ。あたしの中にぽっかり空いてしまった菅田くんの穴を、ぜひ埋めてほしいデス
今回の出番は冒頭ちょこっとだったけど、あの静かな話しっぷりは、いいわぁ。ぜったい凄まないほうがステキだよ。もってまわったような台詞回しはちょっと気になるけど、今後に期待だわ~
そもそも、あたしの市原隼人の第一印象は「繊細」なのよね。野村萬斎が主演した映画『陰陽師Ⅱ』に須佐役で出てたの。なつかしすぎる。お芝居はまあ、まだ若くて微妙だったんだけど、醸し出される繊細な感じが、もうどうにもよかった。なのに、なんで熱血イケイケの役ばっかやってたのかね? もったいないなぁって思ってたら、来ました『カラマーゾフの兄弟』。あれもナイスキャスティングだった。今回はどんななのかなぁ。三谷先生の見立てが楽しみっす✨
あと、瀬戸康史登場でイケメン補充ですね。菅田くんが抜けちゃったから、イケメン枠の穴を埋めていかないとね。いきなり大姫に振り回されてたけど、「いい人」な感じで出てきたのでちょっとホッとしてる。小四郎にせよ、政子にせよ、主要人物はもうどんどん緊迫した状況に追い込まれつつあるからさ。しばしほっこり担当でお願いしたい。ま、五郎もそのままってわけにはいかないだろうから、これからどんな感じになっていくのか見守っていきます
そして、忘れちゃいけないのが運慶ね。
やっぱり来ました相島一之。これだけ、サンシャインボーイズ出身者が出てるんだから、まあ、来るよね。相島さんいないと寂しいですから。にしても、ずいぶん突き抜けた運慶きたね。時政パパにタメ口だよ。見てるあたしがビビったわ。あそこで、まあ納得して「酒でも一献」っていったのは、やっぱりさすが時政パパだわ、って思ったけど、あたし、その前に気になっちゃったのよね。馴れ馴れしい態度の運慶を見てムッとしたパパの表情。今までだったら、きっとそんなの気にも止めてなかったと思うし、むしろ、パパ自身が失礼なヤツだったのにね。ずいぶん偉くなって、メンタリティも変化してきたってことなんだろうね。歴史上の北条時政があたしの知ってるあの人だとすると、これからぐいぐい変わっていくのかね? あのチャーミングなところ、消えてほしくないなぁ。こちらもどんなふうになるのか、目が離せませんな。
で、時政パパだけじゃなくてね。北条家全体が動き出してますよね。
最近増えていた北条家の家族会議は、とうとう公の場で全員勢ぞろいと相成りましたしね。これからこのメンツで行きますよっていうね。顔見世っていうんですか? 見事に並んだよねぇ。
しかし、あの北条家総会。妙にちぐはぐでぞわぞわしたんですけど なんていうか、がっちゃがちゃで、「え、待って、芝居として大丈夫?」って思っちゃったんだけど、あえてあの演出になってるんだとしたら大成功だわ。なんとも形容しがたいんだけど、若い劇団のガチャガチャ感。見ててわざとなのか、本当に制御できてないのかイマイチ判断できない。やたら不安が募る感じ
まず、大姫がヤバい。ヤバすぎる。前回、義高の名前が出ただけでふと顔を曇らせて走り去ったあの健気な少女はどこに行っちゃったの? 九郎退場の後を継ぐサイコパスぶり。怖い。「葵」ってネーミングも怖い。暗示だよね。政子と実衣が『源氏物語』の話してたもんね。「葵の上」かぁ。政略結婚。よそよそしい夫。で、やっと夫婦の情が通ったと思いきや、六条の御息所に呪い殺されたっていうね、『源氏物語』の中でも代表的な悲運の女性だよ。もう、嫌な予感しかないよ。サイコパスからの悲劇的な死っていうのは、九郎だけで十分なんですけど
あと、特筆すべきはりくさんかなぁ。まあ、あからさまに火種ですわね。トラブルメーカーの名乗りあげましたよ、って感じ? それにしても、宮沢りえのあの存在感よ! さらに声もいい。独白の声の張りが美しすぎて聞き惚れちゃったよ。舞台で鍛えられた発声。でもセリフ回しはわざとらしくなくてね。コミカルな演技が絶妙にうまい。「今までがまんしてきたけど、どうしましょう」→「言っちゃおうからしら」→「言っちゃいましょう」というくだり。最高 あのちょっと天然っぽい感じを、威厳を失わずにやれちゃうところ、ほんとすばらしい。そもそも、りくは権力&陰謀好きの腹黒女なんだけど、なんとなく憎めない感じだよね、今のところ。今回も自分の息子を「跡継ぎ」って明言したり、みんなの前で畠山をなじったり、結構むちゃなことしてるんだけど、それほど嫌な女感はなかったよね。ちょっと浅はかで、ときどきやりすぎちゃうけど、自己中なだけで悪い人じゃない、っていう印象。ただ、もう既に政子とは意見が合わなくなってるし、、、ってか、あそこは最初から合ってなかったか
とにかく、これからあの天然ぽい感じでどんどん暴走していきますよ、っていう所信表明でしたわね
で、次回は、小四郎回っぽいですが、キーワードは「天罰=バチ」ってことになるんだろうか。まず、八重さんの死については、おそらく「天罰」という観点で語られるかと。ここは確信してる。なんせ、今回は冒頭から少々強引に「バチ」の話が盛り込まれてたからね。道路工事について「あんなところを掘り返してバチがあたらないのか」とか、「命じたのは鎌倉殿だからバチが当たるとすれば頼朝だろ」とか。その後のシーンでは、「九郎を殺したから泰衡にバチがあたって攻め滅ぼされたのだ」とか。
頼朝なんか、小四郎に向かってあからさまに「バチ談義」してたよね。「小四郎、悔やむな」とか言っちゃって。「自分がやったことについてよかったのか悪かったのか思い悩んでも無駄だから、私はその判断を天に任せてる。だから、天罰が下るまでは、やり続けるのみ」っていうようなことを、偉そうに語ってたよね。
で、その論理からすると「八重さんの死=小四郎への天罰」ってことでしょ。小四郎には天罰が下っちゃったってことだから、立ち止まって考え直すタイミング、ってことになるよね? 小四郎の生き方が、ここからなんか変わってくるってことなのかも……って、思ったんで、NHKの公式ページ確認したら、次回のタイトルが「義時の生きる道」ってなってる!!! おお、ってことは、あたしの予想もあながち外れてないかもよ。
そういえば、今回八重さんに向かってぼやいてたもんね。頼朝とは違いすぎる、って。相手は源氏の頭領だから、自分がどう思おうが、命じられたら結局従うしかない。そうやって不本意でも残酷なことをやってきたのだ、みたいなこと言ってたわ。その辺が、八重さんの死(=天罰)を通してどう変わるのか、あるいは変わらないのか、ってところに注目ということになろうかと。
で、どうすっかなぁ、八重さんの話。
書かないわけにいかないよなぁ。あんまりディスるようなことしたくないんだけどなぁ。うーん、とりあえず、持ち帰って相談します。(誰と?)
