もう立派な日本の文化!―銀河英雄列伝 Die Neue These | なぁ助の勝手にレビュー☆

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ミーハー気分に任せて好きなマンガ、アニメ(たまにお芝居)を勝手に愛で散らかすブログです。
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話の合う人がいないので、「それ、わかるわ~」という方を求めてます。

ユーチューブで、ノイエ版を一挙放映しているの知らなくて、

なんと、最終日の3月8日の昼過ぎに気づき、慌てて見たけど、16話で時間切れになってしまった。20時までって知らなかったから、頑張れば日付変わる前に全部見られると思ったのに……。こんな中途ハンパなことになるなら、むしろ気づかないほうがましだったえーんえーんえーん

もー、仕方ないからdアニメストア for Prime Videoに入会して残り見ましたよ笑い泣き

 

で、ちょうどその直前に旧作を24話まで一気観していたので、せっかくだから、新旧比較でもしておこうかと思います。

 

一応wiki先生にきいたところ

旧アニメは、1988~2000年

ノイエは、2018年~

ってことだから、

20~30年くらいの時代的ギャップがあるってことだよね。

映像にも内容にもその違いが出ていて、すごく興味深かった!

 

旧アニメは、戦術とか戦略とかがかなり重視された描き方。

確かに、あの戦闘場面は新しかっただろうなと思う。

ドンパチより、陣形をいかに映像として見せるかがすごく大切にされてた。

なんせスケールがちがうしね。

帝国軍2万に対し同盟軍4万って、人の数じゃないからね。船の数だから目

そして、1つの艦隊撃破して、隣の艦隊に移動するのに、何時間もかかるっていう距離感。

確かに、宇宙は広いんだろうけども!

ガンダムのスピード感ある感じに慣れてるあたしとしては、ちょっとそのへんのスケール感が、最初わけわからなかった。

え、待って、戦闘中にタンクベッドで寝るのびっくり、っていう。

(あのタンクベッドほしいラブ

 

2時間とか3時間とか平気で撃ち続けてるしね。

ってか、ガンダムの戦闘もそうだったのかな。そうかもしれないな。でもそういうのは省かれてたじゃないですか。GMだって疾走感のある感じでね。

 

でも銀英伝は、戦闘シーンでメインに描かれているのはドンパチではなくて「用兵」だから。

そもそも、戦闘BGMにクラシック音楽をもってきている時点で、作り手の主張を感じるよね。広大な宇宙空間で膨大な数の戦艦が、優雅に陣形を変形しながら攻防していく……ロマンだねぇ。で、それを、映像としていかに見せるか、当時の技術を尽くして伝えようとしていたんだろうなと思う。

 

ノイエのほうもそれは同じで、戦闘は優雅にクラシックの雰囲気だよね。

で、とにかく宇宙の映像が美しすぎる。戦闘していてもしていなくても、とにかく全部美しい

 

オープニングの音楽と映像でグヮシッビックリマークと掴まれますね。心を。

ラインハルトの白いブリュンヒルトと、キルヒアイスの赤いバルバロッサの流線型の機体が、澤野弘之の音楽を背景に並走する美しさよ。船体のつややかさよ。もう、見惚れる。映像制作部隊は命を削って作ってますよね?

 

本編の自由惑星同盟の首都星ハイネセンでしたか、そこを守るアルテミスの首飾りなんて、見た目も、動きも、もう、変態的びっくりマーク 変態的に美しいびっくりマーク 旧アニメはあまり記憶がないけど、ノイエではアルテミスが発砲する流麗な動きからはじまって、破壊されるところまで、本当に丁寧に描かれていて、最後に12個全部が爆発でぱっときらめくところは印象的だった。

 

で、内容面でも気になったところがあって、ざっくり言っちゃうと、ノイエは物語としての完成度がすごく高いと思った。文学的というか、なんというか、人物の感情の機微とか、人間関係とか、そういうのを細やかに積み上げながら描いてる印象。旧アニメでは出来事がつながっていく直線的な物語進行だったけど、ノイエでは人間模様が描かれてより奥行き深くなってる感じ。

 

たとえば旧アニメは、キルヒアイスとアンネローゼの関係とかほとんど描かれてなかったから、アイスが死んだあとのアンネローゼの振る舞いが、イマイチ腑に落ちなかった。「キルヒアイスを愛していたのですか」というセリフがなんか唐突で取ってつけた感があったんだよね。

でも、ノイエでは、アンネローゼが王宮に上がるときにキルヒアイスにケルシーのケーキを渡していて、アイスが1人ベンチでそのケーキを見つめる場面があったり、ラインハルトと一緒に王宮にアンネローゼに会いに行ったとき、キルヒアイスがラインハルトとアンネローゼを見つめる場面がかなり印象的に描かれていたり、あと、ラインハルトがワインを取りに行っている間に2人っきりで会話をしていたり。こういうのがちょいちょいはさまってるから、アンネローゼとキルヒアイスの関係により説得力が出てた気がする。まあ、アンネローゼ側の描写がほとんどなかったから、そこは正直、腑に落ちにくいんだけど。

 

そう、あのシーンでは、アンネローゼがラインハルトに、「疲れたら私のところに来なさい。でも、それは今ではありません」みたいなことを言っていたけど、旧アニメはとてもフラットな言い方で、見ていてアンネローゼの意図を測りかねてしまったんだよね。でも、ノイエでは、「今ではありません」というのを、ラインハルトをまっすぐ見て、きっぱりと言い切っていて、”あなたにはまだやることがある”というメッセージがはっきり出ていた。

 

他にも、旧作ではなんかふわっとしていて意図がわからん、という箇所について、ノイエでは作り手が解釈して意図的に描写しているなぁ、と感じるところがいくつかあって、わかりやすくなっていたと思う。

演出にも力が注がれるようになったということだよね。

 

これは、決して旧アニメがだめでノイエがいいという意味ではなくて、時代とともにアニメの作り方が(映像以外でも)より緻密になってきてるってことなんだと思う。マンガやアニメが、サブカルと言われた時代を経て、深く成熟度を増し、堂々たる文化になってきてるんだなぁ、と感じました。

 

で、ノイエの演出方針としては、同盟国、というか、ヤン・ウェンリーの描写が格段に厚くなってた。特に前半はラインハルトの出番、かなり減ってた気がする。

旧作はどちらかというとラインハルトびいき?な感じ。まあ、王道の王子様ビジュアルだしね。ダブル主人公なんだけど、でもやっぱりキラキラしてるのはこちらです、って感じがあった。

でも、今は王子様だけ持ち上げたんじゃだめなんだろうね。ヤンみたいな人のほうがもてはやされるよね。あの用兵の才能や、部下に対する態度とか、まあ、今どきの理想の上司だもんね。

 

そうそう、だって、同盟側がイゼルローン攻略したあとに、帝国領域内に侵攻したとき、旧アニメでは、帝国が同盟軍を陥れるために支配下の星系の食料を引き上げる場面とか詳しく描かれていたけど、ノイエではなかった。あと、ブラウンシュヴァイクが自分の領地に核爆弾を落とすのを、ラインハルトが見て見ぬ振りするとき、旧アニメでは、ラインハルトがオーベルシュタインに騙されて、不本意にも核が落とされちゃった、って話だったのに、ノイエではちゃんとラインハルトが決断していたよね。

あたしは小説読んでないから、読んでる人に原作はどうなの?って聞いたら、ノイエが原作に忠実なんだって。ってことはさ、旧作では意図的にラインハルトが悪者にならないようにしたってことだよね。やっぱりイケメンの主人公は清廉潔白であれってこと? いろいろ時代性が見えておもしろいなと思ったよ。

 

原作読んだ人によると、ノイエのほうが全体的に原作に忠実だって。受け売りですみませんが爆  笑

 

ま、原作はおいといて、アニメに限っていうと、旧作で追加されているところと、ノイエで丁寧に描かれているところが違うから、両方見るとより理解が深まるっていう、結構おもしろい関係になっていると思う。

ノイエの第3期が楽しみ。

あ、その前に旧作の続きを見ておかなくちゃ!

 

みなさんもぜひ、違いを探してみてね飛び出すハート