第34回 事例検討会が開催されました。


事例は介護保健施設から身体拘束に関わるものでした。


介護領域では原則、身体拘束廃止となっており、身体拘束を行う場合は3要件(緊急性・一時性・非代替性)が満


たされていなければなりません。しかし昨年度の調査で3要件を満たさない身体拘束(虐待)を受けている方が8


000人以上いるという結果が発表されています。このような調査が行われている中で今回の事例を見ていくと、


本当にこの身体拘束は妥当なものなのかと疑問が残りました。



プレゼンの介護士の方は拘束状況に疑問を抱き、可能な限り身体拘束を減らす事に努めていました。


しかし転倒のリスクが高いという理由で拘束解除への道のりが遠く感じられたようでした。



参加者からは組織文化を変える事の困難さや、リスクヘッジは基本的なケアの見直しからとかのアドバイス


がありました。 また身体拘束については是か非かの意見もありました。


このテーマに関してはもっともっとオープンな議論が必要だと思いました。


とても有意義な時間になりました。



以下参考資料



愛知精神看護事例検討会

愛知精神看護事例検討会

愛知精神看護事例検討会
NPO
法人全国抑制廃止研究会は、厚生労働省の委託を受けて実施した「介護保険関連施設の身体拘束廃止に向けた基礎的調査」をまとめ、
報告書を発表した。

調査は昨年2月に実施され、全国の特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護療養型医療施設、認知症グループホーム全てを対象に実施し、22,242施設のうち、約24%にあたる5,314施設から回答を得た。

報告書によると、全体の64%の施設で何らかの身体拘束(※)が行われていることがわかった。施設別に見ると、特養約76%、 老健約71%、介護療養型約91%、グループホーム約48%。

この数字を200512月に実施した調査と比べると、「一切廃止している」施設は、特養で約8ポイント、 老健で約11ポイント増加。介護療養型に関しては逆に3ポイント減ってしまったが、「手続きに則り実施する」施設が約25ポイントと大幅に増えていた。

2005年当時、介護3施設利用者784,000人のうち、推計4万人が身体拘束を受け、そのうち13,000人が「虐待」とも言える違法な身体拘束を受けていたことになるという。今回の調査で、それが改善されていることがわかった。とはいえ、調査対象の介護4施設では、約32,000人が拘束され、そのうちの8,000人が虐待を受けているという推測が示された。

さらに、全国には、調査対象とならなかった特定施設、最近急増している無届施設、無料・低額宿泊所、120万床とも言われる医療保険の病床があり、そこでは膨大な数の身体拘束や虐待があるとも推測。それらを含め、介護保険施設と医療保健施設を合わせると、11万人を超える高齢者が身体拘束を受け、そのうちの34,000人が虐待を受けているだろうとも述べている。

今回の調査結果から、同研究会は「身体拘束を原則禁止する取り組みによって、身体拘束が改善されることが明確になった。しかも、80%を超える施設で、現状でも取り組みを進めることができるという肯定的な回答を得ている」との見解を示しており、まさに「やればできる、やらないのはする気がないだけだ」という重要な指標も見えてきたという。

そして、「国家として、早急に取り組むべき課題であることは歴然としている」と強調。また、身体拘束の「代替策の実行」「見直しの実行」「合議体による判断」を行政の指導と併せて実施すること、拘束廃止や尊厳あるケアに向けて努力している施設が報酬上報われる仕組み、国や自治体の支援が必要だと提言している。

※「緊急やむを得ないときに限り、一定手続きに則り実施」「緊急やむを得ないときに限り、個々の判断で実施」「特に方針なく実施」している施設。