母と私の二人だけの食事は、なんだか物悲しかった。


私が、関西へ帰った後、父が入院している間は母一人なのだと考えるとそれだけで辛くなる。


けして広い実家ではないが、一人で住むには広すぎる。


母と娘、父のことを考えると自然と涙がこぼれてくる。


癌は遺伝だとよく聞くが、そんなことはないのだと改めて感じた。


父方も、母方も癌になったものは誰もいなかった。



食事を済ませ、少しでも休んでもらおうと母に変わり食器を洗った。


普段、帰省した折にはここぞとばかり甘える私も、手伝いを駆って出た。


だけど、母は何かしてないと余計なことを考えるからと手を休めようとしない。


どうすれば、私は母と父の支えになれるのだろうか。


風呂が沸き、母に先に入るよう促すも、


「これからは、当分一番風呂になるから、りくが先にお風呂に入り」


何気ない会話一つで涙が出そうになる。



湯船につかり、少し泣いてしまった。



風呂から上がり父のパソコンを立ち上げる。


スクリーンセイバーにデジカメで写した画像が次々と映し出される。


兄夫婦とその子供たちと出かけた花見や私と出かけた紅葉狩り。


父は趣味で無造作にカシャカシャとシャッターを切る。


家に帰ると画像の整理をし、スクリーンセイバーで映し出すように設定をする。



ニコニコと旅先での思い出をかみしめながら設定をする父の姿を思わず想像してしまった。



メールチェックをするために立ち上げたパソコン。


だけど、スクリーンセイバーを何度も何度も繰り返し見続けていた。



どうか、父をお守りください。