ホラー好きの私は滅多に怖いと思う事はない

 

ところが

 

生まれて初めて ここには霊か何かいる と感じた場所があった

 

それは

 

湯河原温泉の古い築80年は経つという人気のお宿である

 

 

湯河原温泉 阿しか里(あしかり)3年連続ミシュラン獲得の絶品懐石料理のお宿へ | トイプードルと谷根千暮らし

 

 

急に行くことになり 満室だというその宿でも

かなり広いワンルームの一室が取れた​​​​​

 

ネットの写真はとても素敵に写っている

 

期待にワクワクしながら3時前に着いた

 

玄関もこじんまりして 入ると小さなロビーがあって

窓からの美しいお庭に都会の喧騒も忘れ

 

お茶をいただきながら ホットして

 

どんな部屋かな~と想像しながら中居さんに案内される

 

館内といっても 大きなお屋敷といった感じで狭い廊下を

階段で何段もずーとひたすら地下に降りていく感じ

 

案内されたのは一番下の階のお部屋だった

 

昼間なのに 廊下も暗く あんどんのあかりもうら寂しい

 

人の気配の全くない暗い鼠色の廊下

 

段々希望が薄れていく中

 

ついに お部屋の扉が開いた

 

明る~い

 

お庭もお部屋も 目に優しい和の空間

 

大きなワンルームは ソファーのコーナー

ベッドのコーナー

 

畳のコーナー

ツーボールの洗面化粧台とシャワー室

 

そして露天風呂

 

天井も高く照明も明るくも眩しい程でもなくちょうどいい塩梅

 

聞けば 部屋は徐々にリフォームされていて

このお部屋は7年前に完成済みだそうだ

 

この季節なら虫の心配もないだろうと 陽があるうちに露天風呂に入ろうと足を入れると

火傷するほど暑い

 

お湯を止めて水を足す

 

どうにか入れる温度になったのでミカンの木とお庭の様子を見ながら

浸かっていた

 

するとカラスがバサバサ飛んできてなんの囲いもないので少しびくっとする

 

元々温泉にゆっくり浸かるのが苦手とあって

まあ 雰囲気を楽しんですぐにお部屋へと戻る

 

お菓子をいただきお茶を飲む

 

早速今度は大浴場に行くことにした

 

コロナ禍で4人しか一辺に入れないとのこと

 

長い急な階段をひいこら言いながら 登っていかないといけないのに

4人のスリッパがあったら またお部屋に戻らなくてはならないのか?

 

何か 運の問題だな 

 

小さな旅館のルールに驚愕しながらも お風呂の入り口のスリッパは

一つあるだけだったので ホットしてお風呂へ

 

そしてこのお風呂こそが 今回の怪奇現象の現場となった

 

 

まだ昼間だったし、もう一人入っていたし

この時は まあ少し不思議な感じはしていたけれど まだ大丈夫だった

 

夕食は懐石料理

 

そして マッサージも受けて

 

冷え性が悩みの私は 寝る前にもう一度大浴場に行くことにした

 

急な階段をぜーぜー言いながら登ってゆき

風呂場に着いた

 

スリッパは無かった

 

人は誰もいないんだ

 

浴衣を脱いでいると 浴室から音がする

ん? 何で?

 

耳を済ます

桶から水をかぶっている音 何度も なんども

 

桶を置く音も

 

誰か入っていたのかな でもスリッパはないし

籠も私以外はどれも空である

 

背筋が寒くなる

 

勇気をもって浴室の扉をガラガラと開けてみると

誰もいない でも露天風呂への扉が全開になっている

 

暗黒の闇から 冷たい風が入ってくる

 

ドアをしめる

 

すると 今度は湯船のお湯の出る所から

 

噴水の様にお湯が凄い音を立てながら何度も何度も勢いよく噴き出している

 

こんな光景は初めて見る 初めての経験

 

部屋に戻らないとダメだ 絶対に

 

そして また長い暗い細い誰もいない人の気配のない階段を下りる

 

部屋の前には 男女のトイレがあるのだが

その後 主人と恐る恐るそのトイレの明かりをつけてみると

 

そこは

 

映画「学校の怪談」 そっくりのトイレだった

 

怖くて こわくて 早く朝が来ることだけを考えて

結局 夜更かししてしまいました

 

老舗旅館の怪異を今回は体験してしまいました

 

ああ 怖かった