いつもそうだと気がつくのだろう

ベルセルク「鷹の団編」名台詞です。

バイオレンスアクションエログロギャグ漫画と

思われがちですが、初期はさながら哲学書です(多分)。

人間どんなに科学が発展しても、手遅れにならない限り

悟れない、どうにもならない愚かな側面があります。

北朝鮮のバカ殿様はミサイル舞い上げて何がしたいのか。

日本のどこかに着弾したら、自国が地獄になると理解

できないのか?そもそも北朝鮮は地獄だから気にしてない?

 

火遊びは大概にしましょう。今回はある投資家の落日。

 

 

 

「利によりて行えば、怨み多し」論語の一説です。

自分の利益ばかりで行動すると人から恨まれる、て意。

投資家なんてのは正にコレで、他者を抜け駆けして

顧客の利益のみを追求します。え?何か問題でもって?

 

傍から見れば「楽して儲けてる」ように見えるので、

妬み嫉み、憎しみや恨みを増産、本人とは無関係でもです。

それが天才やカリスマともなれば、より一層です。

それがわかる天才やカリスマは、それ故に普段の言動や

態度に気を使います。実るほど頭を垂れる稲尾様(違う)。

 

 

天才(カリスマ)の4パターン。

自分は天才で周りも天才だと思ってくれている

お笑い芸人に何故か多い。周辺を信者で固めてしまうから。

自分は天才ではないのに、周りが天才だと持て囃す

イチローがそれ。「僕に言わせりゃ新庄の方が天才」

長島茂雄も天才中の天才。天才に理論は必要ありません。

自分は天才なのに、周りが認めてくれない

アミバっすかね?「俺は天才だ!」

自分には才なし。誰も認めない。なのに再評価されて天才

芸術家がそれ。ピカソは生前、全く絵が売れなかったとか。

 

今回の主役、悠人はイチロータイプだが、似て非なる。

イチローはインタビューでは素っ気無い、悠人もそれ

しかしイチローはプライベートではフランク、悠人にはない

イチローは常に準備万端、悠人も徹底的なリサーチが信条

イチローは実は職人の如くコツコツ努力。悠人が嫌いな浩太

 

そんなわけで悠人は裏表が無くて愛想無し。そりゃ嫌われる

しかも投資のカリスマ、俗物からすれば怨嗟の対象。

そして世の中は俗物、凡人の方が才人より福原遥かに多い。

何より世の中とは実のところ、俗物凡人が回してたりする。

そう、凡人がカリスマの転落を見逃すわけが無い。

俗物が愛するワイドショーに悠人がデカデカ映るところから

「舞いあがれ!」桑原亮子脚本週が始まります。

(もんのすごい超絶前フリから始まります)

 

 

 

「お兄ちゃんが悪いことするわけない」

舞ちゃん会社でネットを見るめぐみにそう言いますが、

めぐみには心当たりがあるみたい。悠人に電話するが、

まるで繋がらない。会社には取材の電話が殺到。

 

これを受けてIWAKURA全員集合。事の真偽は不明なので

取材は受けず通常通り勤務して、と全員に告知。

「(悠人は)ウチには直接関係無いのに…」と誰かが言うが

「関係ないこと無いで」と章兄ちゃん。「悠人君は

IWAKURAが厳しい時に会社買い取って支えてくれたんや」

と諭します。章兄ちゃんも悠人の融資で復帰できてます。

悠人への感謝は人一倍強いのです。

「いつも通り働いてたらええんや」笠やん

「人の噂も七十~」藤沢「五にちや!」おばちゃんズ

「表の記者どもシバいてきましょか!?」土屋(おいおい)

IWAKURAは一致団結、ワンチーム(6年後)です。

 

 

しかし舞ちゃん帰宅しようにも、家の周りは取材陣。

仕方なくデラシネに避難。そこに雨、貴司くんも待機。

「昔からお兄ちゃんは一人で何でも出来たから、

困った時に助けてくれる人おるんやろか?」

↑これを批判する人います。曰く「悠人が一人で何でも

やったのは、両親が舞に掛かりきりだったから」だってさ。

あのね、これ単に舞ちゃんが悠人を賛辞してるだけですよ。

そして悠人って友達いなそうだし(はいブーメランです)。

「雨、止むんやろか…」暗喩です、ナイス引きです。

 

 

そんな中、悠人発見。夜の雨の中、公園に倒れ込みます。

ほっといたら低体温症で死の危険。そこを通るは何と

ドーベルマン望月。ラグビーパワーで自宅に持ち帰ります。

そこへ丁度、久留美が帰ってきて救護活動。

「悠人さん!しっかりして下さい!」堂に入ってます。

 

気が付いた悠人は暫し呆然。久留美に金を渡して帰ろう

とします。「迷惑料や」だが久留美に拒否されると

「悪いことして稼いだ金は受けとれんか」悪人の自白?

そこへ舞ちゃんとめぐみが到着。めぐみが久留美にお礼を

言うと「助けてくれて頼んでへんけどな」即!めぐみに耳を

抓られます。悠人ひねくれ節全開。さらにドーベルマンが

差し入れすると、受け取り拒否。舞ちゃんやめぐみには

「二人に迷惑はかけへん」と告げてその場を立ち去ろうと

するが、久留美が立ち塞がります。

 

 

「悠人さんのことどんだけ心配してたか、その気持ち

ちょっとは考えて下さい!大事な人がしんどい時になんにも

でけへんのは、ほんまにしんどいんですよ」

 

 

看護師の久留美だからこそ言える台詞です。普段病院勤務で

患者の生死と、その家族達を見ているからこそ出た言葉。

久留美自身、浩太の死に打ちひしがれる舞ちゃんとめぐみに

「なんもでけへん」かったのだから、尚更です。

 

結局、悠人は舞ちゃんやめぐみと共に帰宅します。

当然のように記者共がワラワラよって集ります。ゾンビ?

翌日も岩倉家の周りには記者共がワラワラ。ゾンビ映画?

マスコミってこんなんばっかっすよね?ゾンビと変わらん

これ書いてる最中に岸田総理に鉄パイプ爆弾投げたアホが

捕まりましたが、一般人が何でスマホ撮影してんの?

スマホ人間ってこんなんばっか。危機感ない?ゾンビなの?

 

 

岩倉家のリビングでは久々に三人揃う。

めぐみ「お母ちゃん、悠人が様子おかしかったの

気付いてた。悠人を助けられんかった」

舞「私、お兄ちゃんに助けてって言ったことあるけど、

助けてって言われたとこないねん。頼りっぱなしだった」

そんなこと言う二人に「何で自分のこと責めんねん!」と

怒る悠人。本人には詰問されるよりキツイのでしょう。

 

めぐみ「悪いことやったんか」

悠人「やってもやらんでも投資家としては終わりや」

舞「何ではぐらかすん?私もお母ちゃんも本当のこと

知りたいだけや」こういう時の舞ちゃんは直言。

悠人「とんでもない損失出してもうて、インサイダー

情報に手を出してもうた」…ついに懺悔します。

 

 

「何でこんなことになったんやろ?潰れかけの工場に

しがみついてる親父見て、しょうもないな思てたけど

俺の方がよっぽどしょうもないわ」自分の部屋で、

浩太を小馬鹿にしてきた自分を省みる悠人。

そこに舞ちゃんが「歩みノート」を持って入室。

「お父ちゃんがずっと書いてきたの、読んでみて」と置く。

 

ここで舞ちゃん(桑原脚本)小技発揮。読んで欲しい

ページにしおりが挟んであります。そのページは09年、

悠人が投資のカリスマとして注目された頃に書かれた。

その文面を久しぶりの浩太が読み上げる…そこには

悠人の才能を賛美(何故リーマンショックを教えて

くれない!とは一筆も書いてなかった)すると共に、

「稼いだお金で悠人が何をしたいかが僕には分らん。

でもいつか分りたい」と結んであった。

「そんなこと一言も言うてくれなかったやん」

悠人、親の心子知らずを地で理解する。

 

仏壇の前に座る悠人「親父、俺のこと分ろうとしてくれた

んやな。生きてるうちに言うてくれたら良かったのに」

めぐみ「おうたらいつも喧嘩ばかりしてたやん」

悠人「そうやな、言わせなかったの俺やな…」

悠人には後悔ばかりが募ります「舞、前に言ってたな。

無くしたら二度と取り戻せないものがあるって」

頷く舞ちゃん、すでに半泣き(最近多いな)。

「仕事も信用も、親父と話し合うチャンスも、二度と

取り戻せへん…親父、ごめんな…」嗚咽を漏らす悠人…

横山裕の好演が夕日に照らされます。

 

 

このシーン、何かで見た記憶があるんすよね。そう、

「ベルセルク・鷹の団編」でグリフィスが身体全ての力と

これまでの地位を無くしてしまう。絶望し自殺しようにも

それすら出来ず夕日の中、泣き臥せる屈指の名場面。

この前にグリフィスに去来したのが「どうして終わったり

無くしたりしてから、いつもそうだと気がつくのだろう」

 

悠人の心境は正にこれ。後悔先に立たずです。

泣き咽ぶ悠人にめぐみは「取り戻せるもんもある。一度

くらい失敗したから何や。悠人ならまたやり直せる!」

と、泣きながら抱きしめます。う~ん母の愛です。

 

それ見て泣いて頷く舞ちゃん。←に、前言った酷い台詞を

取り消せ!って言う奴がネットに挙がってましたが(喧嘩

して二度と会えへんようになったのと同じやで、の所)、

ホンマのことやから。家族が言わへんで誰が言うんや?

その台詞聞かされて、歩みノート読まなかったら悠人は

反省&後悔すら出来なかったから。遠回りかもしれんが、

これこそ岩倉家再生の道筋なのだから、黙って見てよ。

 

 

 

 

 

水曜のカレー食卓はあえて説明しません。悠人が憑き物

落ちたかのように、家族三人静かに食事するシーン。

言葉は要らない。悠人最高の名場面、桑原脚本巧妙絶妙。

息子を犯罪者として送る母の涙顔と、それでも家族の輪に

帰ってきた兄を嬉しく思う妹が対象的です。

 

本稿初の超長文。見事に舞ロス&スランプです。

次回は第19週後編。舞ちゃん内心慄く(実は本当)

 

 

 

おそらく本編で全く面白いこと書けなかったので

人物紹介いい加減にやります。今回はまとめて


五島の面々

  • 浦一太。河童の化身。生来のお調子者
  • 大阪から舞ちゃんに惚れた。惚れたハズだ!
  • 実はばらもん凧を一太と飛ばしたことが、舞の原点
  • 浦信吾。一太の父、役場勤務。めぐみに惚れてた?
  • 過疎化しつつある五島に気を揉む。秘策を長濱練る
  • ホームステイや釣りフェスタ、朝ドラ誘致に成功する
  • 木戸豪。地元の漁師で船大工。昆虫大好き(本人設定)
  • 一太の師匠ポジだが、一太の恋に支障きたす?
  • 実は最もばんばに感謝しており、別れに言葉を詰まらす
  • 山中さくら。94年から登場するも歳とらない美魔女
  • 釣りが得意。星空見るのが趣味。みじょカフェ勤務
  • 妄想癖と喋り好きとSDGs好き。飯は人四倍食べる!
  • 大阪物産展に参加時「初めて来た」とか言うが…
  • 正月の頃、うめずに晴れ着姿で来てませんでした?
  • 謎の恋人、むっちゃんがいる。後に結婚、椿山さくら
  • このむっちゃんこそが最終章でキーワードを与える

五島こそ舞ちゃんの原点。五島こそ心の故郷。

五島うどん美味そう、お歳暮に送ったっけな

さくら「昔、五島にロケ隊来た」って、まいん五島編?

五島で何故かロケして昼ごはん見せてもらったテレ東

バックドロップの名人と言えば、五島後藤達俊