「必ず敗れる組織 」から学び、改める | 管理者便り

「必ず敗れる組織 」から学び、改める

仕事においては、誰かやどこかの成功事例などから以上に、失敗の事例やパターンから学ぶほうが自身としてはよほど参考になると以前から思っている。

(…あくまで共有の観点では成功事例は必要と考えるが、ただ成功事例を聞かされる場合にはその人特有のものが多いことと、市場環境の変化が速度を増している今、それは過去の栄光となり、通用しないことが多くなってしまうからである)

 

 

さて、各組織を統括する『長』とつくメンバーには必ず知っておいてもらいたい『必ず敗れる軍』というもの。

 

そして、それを各自が組織に置き換えて、その失敗の要素(本質)を学んでいただきたい。

 

 

今回は「必ず敗れる組織 」とはどのようなモノなのか…ということでその要因を学んでみたいと思う。

 

そこで、参考とするのが、もうひとつの「孫子」と呼ばれる『孫臏兵法 (そんぴんへいほう)』。(※孫臏⇒https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%AB%E3%83%94%E3%83%B3

 

 

その記載によれば 、『必ず敗れる軍』とは…こうである 。

 

「恒不勝に五あり 。将を御すれば勝たず 。道を知らざれば勝たず 。将に乖けば勝たず 。間を用いざれば勝たず 。衆を得ざれば勝たず 」 (簒卒篇 )

 

ざっくり訳としては、「必ず敗れるのはこんな軍だとして 、次の五条件をあげているのである 」…といっている。

 

 

では、とある著書にあるこの孫臏兵法についての記載から参考にその五つと解説を転記するのでみてみよう!

 

 

一 、君主が将軍の指揮権に干渉すること 。

 

将軍は君主から指揮の全権を付与されて戦場に赴いていく 。それなのに 、君主が将軍の指揮や作戦に口出しすればどうなるか 。当然 、指揮権は大きな拘束を受け 、思いどおりの作戦を展開できなくなる 。

 

 

一 、将軍が戦略戦術にうといこと 。

 

ままこんなケ ースもあるが 、それはほかでもない 、そんな人物を将軍に任命した人事権者の責任である 。

 

 

一 、配下の指揮官が命令に服さないこと 。

 

これでは軍をまとめていくことなど 、とうてい不可能である 。なぜこんなことになるのか 。それには将軍としての資質も大いに関係しているに違いない 。

 

 

一 、情報の収集を怠ること 。

 

当時の情報収集はもっぱら間者 (情報員 )の活躍に待つところが大きかった 。したがって将たる者が間者を使いこなせなかったのでは 、職責を果たすことができないのである 。

 

 

一 、部下が心服していないこと 。

 

これでは 、いざというとき 、使いこなせない 。

 

 

 

…これらのような心配事を抱えている軍(組織)は 、敗れるということである 。

 

ピーアンドエフで各レイヤーの長と呼ばれる人達は上記の五つの要素を自身に置き換えてみて何を感じるだろうか?どのように自身の行動の改めとするだろうか?

 

 

成功パターンは多くの場合、人それぞれとなり、誰しもが参考となる訳ではないが、こと失敗においては得てして共通の要素となり、学ぶべきこと、改めるべきことが多い。

 

ピーアンドエフで言えば、私を筆頭に上記にある「君主」や「将軍」に自身を置き換え、その要因が如何に潜んでいるかを常に意識して手を打っていく必要がある。

 

 

もちろん、部長、次長、課長においても同意。

各レイヤーの「長」たる者に上記の要素があってはならない。

 

 

組織の未来、勝利のために、自身の足らずを知り、至らずを許さず、勤勉に努め、実践で応える。

 

各「長」がそう自身に厳しくあってほしいと願うばかりである。

 

 

 

渡辺