市場創造
前回に引き続きヤマト運輸の先代社長小倉昌男さんが書かれた「経営学」
から学ばせてもらったところを書いてみる。
今回は「業態化」ということについてである。
本の中で定義付けられているのは「営業の対象を絞り、サービスとコストに
おいて競争相手に決定的な差をつけることを目標として、徹底的な効率化
を図ること」とされているが、どこかで聞いたような言葉である。
例として挙げられているのが流通業界で、その業態化の変遷が書かれてお
り、戦後の大量消費に支えられた大規模小売店、特にスーパーマーケット
という業態、その次に表れたコンビニについてである。
つまりある特定の需要を満たすために、そのための特別のサービスや仕組
みを作り上げること、ということになるが、それがどれだけ緻密に考えられた
ものなのかが問われ「業態化とは事業者の知恵、創意工夫を問うものである」。
ヤマトが「宅急便」、個人相手の集配というこれまでになかった業態を作り上
げたわけであるが、だからこそ「新しいハードウェア、ソフトウェア、ヒューマン
ウェア」を考案、開発しなければならなかった、とある。
目からうろこであったのが業態化、同業界における差別化というのが必要であ
ること、またそのためには「新しい市場を形成するだけの」緻密な仕組み、シス
テムが必要だということである。
この中には新商品開発についての話もあるが、それは業態化された後に必要
なものであるということもわかる。
つまりまずはとにかく潜在需要の中の一つにスポットをあて、業態化、仕組み
化させなければいけないということである。
TERAUCHI