「基本」も相手本位
もう2年前になるかと思うが、ある東京の飲食店が「驚くほどの顧客感動を
させる」接客・サービスを行うとして有名で、足を運んだ人も多く、実は我々
もある時の祝勝会で利用させてもらった。
正直に言えば、その時からどこに言われるだけの顧客感動があるのかわ
からなかった。
確かに細かい個別の演出はあったが、肝心の料理の味もその給仕も記憶
に残るほどのものはなかった。
ただ、非常に良い立地にあるので、記念日に食事をするには良いのかもし
れないとは考えていた。
だからこそ最近のある個人的な記念日の食事の際に選んだのだが、最初
にお店に入ったところからその期待は完全に裏切られてしまった。
そのお店の悪いところを書き並べる気はなく、それが言いたいわけではない。
そのお店と言うよりも、顧客感動を与える店とされていたわけであるが、感動
というのは本当に簡単に与えられるものではないということ、それぞれの仕事
の「基本」がまず有りきで、それもそれぞれの仕事において「相手から求めら
れる基本」ができていないといけない。
例えば飲食店あれば、料理の味以前の演出や接客が良くても絶対に「感動」
することはないということである。
だから今「顧客感動」が求められている中、まず我々が行っている仕事の基
本、それも顧客に求められる我々の仕事の「基本」を全員がしっかりと習得す
ることから始めなければならない。