あなたは夢の中にいる。そして片時もその夢から覚めることはない。
あなたに夢を見せているのは、あなたの魂に巣食ったミームだ。
夢はイメージに満ちた迷宮。どこまでも仮象の世界だ。
その仮象をあなたはリアルだと思い込む。自己欺瞞だ。
自ら仕掛けたからくりに気づかないふりでもしたいかのように。
あなたはけっして認めない。あなたの心にぽっかりと穴があいていることを。
そのうすら寒い感じから逃れるために、あなたはあなたではないものに頼らざるを得ない。
そのようにしてあなたはますますあなた自身を失ってゆく。
失われるあなた自身の代わりに、あなたではないものが、あなたの魂に住み着くようになる。
あなたはペルソナとシャドーとに分裂して、その分裂のあわいにミームが浸潤してくる。
だから、ミームはペルソナとシャドーの対立を原動力にしている。
エゴイズムを原資として、資本主義の顔をしたアルゴリズムが蔓延る、そのような仮象/イメージの世界。ミーム空間だ。夢のまた夢・・・
あなたは自らの根源的な分裂を認めたくないので、夢から覚めることを望まない。
夢から覚めることは、自らの根源的な分裂を目の当たりにすることにつながっているから。
ここが生と死の深淵、まさしく境域である。