一歩。
6月10日(月)。
4年生の授業で、ちょっとした変化があった。
ある男子生徒が、今までになく『意味調べ』をしてきていた。
週末にあった父母会の影響もあったかもしれない。
今週だけで、また、次週からはやってこないかもしれない。
それでも、辞書で調べて授業で発表するという経験をした
彼は、確実に一歩前に進んだ。
文章の中に、『習慣』という言葉があり、それの意味も発表
してくれた。
そこで、
「この、『習慣』というのが大切なんですね。
皆さんの能力には、さほど差がない。でも、習慣をつける力
には差がある。
少しずつ良い習慣をつけて、少しずつ良くない習慣をなくし
ていく。
ここに、一番集中してほしいです。
成績の良い生徒は、良い習慣がたくさん身についている。」
すると、ある生徒が、
「でもなあ、良くない習慣がなかなか直せないんだよなあ。」
と(笑)。
そこで私は、
「あのイチロー選手も、
『小さなことを重ねることが、とんでもないところに行くただ一
つの道』と言っています。」
というと、
「イチローって誰?」
あぁ~、古かったのねと思って、
「メジャーリーグで、年間262本のヒットを打ち、10年連続で
年間200本のヒットを打ち続けた、素晴らしい野球選手です。」
「いつ?」
「最多安打を打ったのは2004年。今から20年前ですね。」
「あぁ~、昔の人ね。」
「そう、今は引退して、日本で自分の草野球チームを持って、
野球を楽しみながら、高校生に指導をしたり、そうそう、ユン
ケルのCMに出ているおじさんです。」
「あっ、知ってる。」
やっと少しつながったかと思ったら、ある男子生徒が、『草野
球』という言葉が分からなかったらしく、
「えっ、クソ野球?」
そこから数名の男子生徒が、
「はは、クソだって。」
「クソ、クソ。うはは。」
『うんこ、おしっこ』の大好きな年ごろである。
オカポの教訓話と、イチロー選手の偉大な記録の話は、
『クソ』という一言に見事に負けたので、授業に戻った(笑)。