2016年。ひとりの元海軍戦闘機搭乗員が亡くなった。享 年91歳。
私の近しい人でもあった。
彼は 若い頃はあまり戦争の話しをしなかったが。晩年は戦時中の話ばかりをしていた。
「零戦に乗って、命のやり取りをしていたあの時代がいちばんよかった。」
一度だけぽろっとそんな本音をつぶやいたこともあった。
戦争が悪いとか悲惨だとかは一度も言ったことがなかったが、ある時「負け戦だけはするもんじゃない。」といった言葉が耳に残っている。
彼からずいぶんといろんな話を聞かされた。一般の戦記などとはまるで逆のこともあったり、私としては結構興味をそそられた。
彼も、そして今になっては私にも記憶のあやふやなところがあって、整合性の取れない部分や史実と会わない部分もあるかもしれないが、思い出せる限り書き残していこうと思う。
私の文章力が未熟なため彼の一人称で書いていきたいと思う。