4時間の夢 | ONZA★HEAVEN

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小澤事務所オフィシャルBLOG

最後の戦いから何年が経ったのだろうか…

 

いや

 

あれは昨日の事だったのか…

 

大事な仲間もみんな死んでしまった。

 

愛する人も逝ってしまった。

 

今はもう静かになった宇宙空間の果てで

 

私は一人、旧型の複翼式宇宙戦闘機に乗り

 

最後のフライトに出ている。

 

しかしその旅ももう終わるようだ。

 

この空間には太陽と呼べる恒星がないらしい。

 

熱核エンジンの反応も終わりそうだ…

 

予備エネルギーも残っていない。

 

ゆっくりと

 

ただゆっくりと機体は眼下に広がる惑星に落ちていく。

 

この一瞬は静かだが

 

数秒後には破壊と終焉が訪れることだろう…

 

まぁそれもいい。

 

それも我が人生だ。

 

歳を重ねる度に諦めが増えてきたようだ。

 

ん?

 

以外と静かだな…

 

音がしない。

 

そうか…

 

この空間では音が届かないのか…

 

あるいは数十年後に聞こえるのかもしれないが…

 

機体がどんどんバラバラになっていく…

 

私の体も…

 

どうやら痛みは音と違って感じるようだ…

 

私の四肢は捥げ肉体は捻れ切れていく。

 

一瞬だが永遠のような感触。

 

激痛が走っているのだが不思議と冷静だ。

 

私の腹部らしき大きめの肉片が飛んでいく…

 

その時、私はなぜだかこう思ったのだ。

 

「良かった。私には身体があったのか。」

 

そこで全ては"無"となった。