朝、目覚めた瞬間から右ひじと右脛が重い。
日曜日にひどく蜂に刺されたところが、数日たって一段と腫れてきている。
傷を搔きむしらずにいられないほどの掻痒感。
たまらず傷の周囲を搔きむしって溜飲を下げようとするが、
傷の周囲に蕁麻疹のように赤い腫れが広範囲に広がってしまった。
傷の下方を中心に腫れるのは、重力が関係するのかななんて思う。
「蜂の毒はそりゃ強いですからねぇ」
「犬の体重では、(耐えるのは)まぁ無理でしょうね」
受診時に皮膚科医に言われたことばを思い出す。
それば事実。だけど、あきの死はやっぱり受け容れ難い。
事件翌日に火葬して、いっぱい泣いて見送った。
仕方なかったと、防ぎようがなかったのだと自分に言い聞かせ、
精神的に不安定にならないようにと頭の中で何度も会議して、
折り合いがついたと思っていた。
でも3日目。鉢刺されの強い痛みが治まったのと入れ替わったように、
何度もあきのことを思い出し、急にぼろぼろ泣いて、また泣き止んでを繰り返している。
6日目には、母に「あきは、竹林でリードがひどく絡まっていた」と聞いた。
あきが竹林に入っていったから。蜂に向かって行ってしまったからだと。
自分はそう悪いことをしたわけではないと思い込みたかった、思い込ませようと
気づかないふりをしていたことを、事実を聞いて、また一層の罪悪感と悲壮感にやられた。
私にも大きな過失と責任はある。
どうしたらいい?
どうやって償えばいい?
あきの写真や動画を見るとやっぱり涙が出てくる。
お供えや仏壇を作ったって、あきは喜ばない。
私が延々と鬱々してても、あきのことをさっさと忘れてしまったとしても、もうあの幸せな時間は戻ることはない。
私にできることは、もしまた犬を迎えることがあれば、危機意識を持ち、ささいな危険がないかも気をつけて、
安全な場所でだけ遊べるようにする。
それだけ。
それだけしかできないけど、それだけは絶対にと心に刻んだ。
あき。ごめんなさい。愛している。
あなたは走るのが大好きで、馬のように風のように速く走るから
あったかくて幸せな場所にぐんぐん進んでいくでしょう。
こちらの事は気にせず、さっさとそこにたどり着いてゆっくり養生して。
そして、もしもうちに戻って来たくなったら、おいで。
また一緒に海や山や、おさんぽに行こう。
