カン・ウンソン 犯罪都市 | ブッチャー山のブログ

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韓国映画は、一時の低迷後、ある種のルーテンワークとは別の型を作りながら、テレビドラマとの差別化を図りながら、一つの繁栄を維持していますが、良くも悪くも、国内のマーケット向けの作品に終始しがちなのは仕方がないのかもしれません。マッチョスターになった、マ・ドンソクの肉弾戦を格にして、新しい風俗として、中国ギャングを非情なまでの悪役ぶりを、これまた、良くも悪くも、昨今流行なところでもあり、韓国映画のお得意とする、大流血のバイオレンスを配分しながら、見せつけていき、最後にマ・ドンソクとのプロレスのようなファイトシーンをクライマックスにしていく構成になっていますが、いささか、新しい風俗や大流血バイオレンスアクションファイト(笑)の装いを取ってしまうと、古めかしい印象は免れられません。スターシステムや、昔からの韓国映画の伝統でもある、大衆的な感性の尊重も、ここでは無難な域を超えることはありませんでした。これまた、一種のルーテンワークではありますが、他のクライムアクション作品のパターン化と同様にならないか心配であり、一時の低迷化がなければよいのですが。この作品も全然ダメではありませんが、悪役が弱すぎます。マ・ドンソクも悪くはありませんが、良く生かされてはいません。昨今のアクション作品が、大流血やバイオレンスの刺激を取り入れれば、新しくなった、と勘違いして、全く古風なままで停滞している状況を示唆しているような作品になっているのは残念なことでした。北野武のバイオレンスと比較してみれば、センスの劣化は明白であります