お雑煮やさん

お雑煮やさん

お雑煮は面白い! 一言にお雑煮って言っても、共通するのは「お餅が汁に入ってる」
「お正月に食べる」ってことだけで、全国各地、各家庭ごとにダシもお餅の形状も、 
具材も様々な組み合わせがある。あんまりおもしろいからお店をすることにしました。

大変申し訳ございません。


諸事情ございまして、「お雑煮やさん」店舗は、仕切り直しの必要が生じてしまいました。


あらためて開店できるようになりましたら、ご案内させていただきます。


いったん、仕切り直しのため閉めてしまいますが、どうぞよろしくお願いいたします。





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今は、初日に向けて実はあん餅のためのアンコを深夜制作中なのですが、そういえばblogでは来週のお雑煮メニューをご案内していなかったわ・・・と、メニュー発表いたします!



2週目(12日・13日)は・・・


奈良の「きなこ雑煮」 + 土佐の「かつおぶしたっぷり雑煮」です!!


この組み合わせ、実はギリギリまで迷っていたんですよ。

2週目は、雑煮の餅をわさわざ汁から取り出して「安倍川餅」にして食べる珍雑煮の「きなこ雑煮」を作ることは以前から決めていたんですが、この雑煮と並べて食べ比べる雑煮として何にしたら良いかは、かなり悩みました。


・・・というのも、奈良の「きなこ雑煮」の汁そのものはとても淡白な、動物性たんぱくを一切入れていない精進料理のような雑煮なんですね。

入っている具材は、「サトイモ」「ダイコン」「ニンジン」「絹豆腐」(こんにゃくが入る場合も多くありますが今回お雑煮やさんが提供するものには入れません)。

ダシも昆布ダシに西京みそ。

すごくサッパリしているのですよ。


だから、一緒にお出しする相方にあたるお雑煮は、ちょっと無骨な魚や肉ががっつり入っているタイプにしたいなぁ、と当初思っていたのですよ。


ただ、奈良の「きなこ雑煮」に入っている餅は、「焼くタイプ」の「丸餅」。

相方には、「煮るタイプ」の「角餅」にしたかったんですね。

実は、煮るタイプの角餅って全国でもそう数は多くないのです。


遠州か、富山か、四国の中でも変わり種の土佐か・・・。


初めは、富山の黒部の「フクラギ雑煮」にしよう!と思っていたのですが、ブリの成長過程のフクラギ(関東で言うところのワラサ)、まだ、今の時期では関東ではイナダ段階で脂があまりついてないんです。無理にイナダ使うのもなんだよなぁ・・・ということで、今回は却下!


そこで土佐雑煮にしてみたのです。

土佐はカツオの産地ですが、土佐雑煮、カツオそのものは入っていません。かつお節をたっぷり振り掛けるタイプの、具材はとてもシンプルなものです。


でも、試作をしてみると、コレがウマイ!

カツオ昆布ダシの中にタイモと称するサトイモ、しいたけ、カマボコ(今回の試作では地味なカマボコ使ってる)、そして食べる直前にたっぷりの花がつお。


カツオのダシが効いていて、しみじみウマイのであります。



お雑煮やさん


本当は、「大丸」という華やかなカマボコを乗せるのですが、取り寄せに付き今は手元にないため、地味ぃですが、↓こんなのが乗ってると華やかになりますねぇ~。


お雑煮やさん

ちなみに、四国は基本的に丸餅文化圏なのですが、高知だけは角餅を使う地域が多くあります。それは、遠州から城主となった山内一豊の影響と言われています。


雑煮の歴史も面白いですよね。



というわけで、試作してみて、コレならば「きなこ雑煮」の相方にぴったりだわ!と土佐雑煮の登板決定!


来週も楽しみにしてくださいね!




お雑煮やさんは、金曜日・土曜日のお昼間だけ営業するお店です。


初日は、10月5日(金)11:30~15:30!


初日にお出しするお雑煮は、

粕谷が生まれた場所の香川県善通寺市の「あん餅雑煮」と、「東京風雑煮」です。


あん餅雑煮については、何回か書きましたので、今回は「東京風雑煮」のお話です。




・・・と言いながら、粕谷家の雑煮話から。


粕谷の母は「香川県」、父は「広島県」出身です。

父は今でこそ恐妻家となっていますが(笑)、昔は日本男子かくあるべし!的な考えが強い人でして、私がちびっ子の頃などは、父が仕事から帰ってきたら、母は三つ指ついて「おかえりなさい」をし、ちびっ子の私も真似する、というような実に古風な人だったらしいです。(実はあまり覚えていない。その後の母が強かったから(^_^;))


転勤族の家庭でしたから、全国点々と住む場所は変わったのですが、そういう父ですから、当然「正月は父の実家である広島に帰省する」のが当たり前でした。

ですから、正月に食べる粕谷家のお雑煮は「広島風雑煮」がベーシックになっていました。母や祖母から香川のあん餅雑煮の話は聞いてはいたものの、食べる機会がなかったのが実情です。


ちなみに広島の雑煮は、「焼いた角餅にすまし汁。具材は牡蠣やブリなど、鶏もも肉まで入ってる」タンパク質たっぷりのタイプの雑煮です。


・・・そんな幼少期だったのですが、そのうち転勤先が北海道の札幌やら函館やらと遠方になったのですね。さすがに北海道まで行ってしまうと、それまでのように広島まで帰省するのが困難になり、正月は家族で過ごすようにもなってきました。


雑煮の面白いことは、だんだんと融合してくることでして、自宅で家族で雑煮を食べるようになると、引っ越し先の「地のもの」が混じってくるようになるものです。

いつの間にやら、雑煮の中に牡蠣が入らなくなり、三つ葉が入り、かまぼこが入り、、と雑煮の風景も変遷を遂げてきたのです。。。

我が家のように2~3年ごとに引っ越しがあると、いろんな地のものが混じってしまい、どこの雑煮というのが困難にもなってくる。。

まぁ、こんなところも、雑煮の面白いとこですね。


・・・と、話がとっちらかってしまいましたが、何が言いたかったかと言うと、実は粕谷家では何故か、「小松菜、ほうれん草」のような青菜は雑煮の具材には入ったことがなかったのです。


全国のお雑煮を調べていくと、小松菜系の青菜を使っている雑煮が非常に多いです。なのに、私は青菜が入った雑煮は、実は未経験でした。


お雑煮は家庭料理で、しかも行事食。

お正月のおせちは、事前に手間をかけて準備しており、いつも忙しく立ち働いている女性も正月は楽をしよう!というのが前提にあるからでしょうね、当日準備をするお雑煮は比較的どれも作りやすい、手間があまりかからない内容になっているものが多いように思います。


ということで、ほうれん草よりも小松菜系のアクの少ない青菜がよく使われるのは、きっと下ゆでをしなくて入れられるからなのかなぁ・・・と粕谷は想像しました。(間違ってるかもしれないけど。ただの想像)


勝手にひとりで、「なるほど・・・」とうなずいた粕谷ですが、でも待てよ、と思いました。家庭内でならともかく、お店で出すならば、使う量も多くて小松菜もザブっと入れてしまうと、あっという間に熱とすまし汁の色で変色してしまう。


青菜はやっぱり緑あざやかであって欲しいよねぇ・・・と。


では、と下茹でして盛り付け段階でのせてしまう方法を、と試作しましたが、普通に茹でてしまったら何だか水っぽい。別のだし汁で茹でて取り出しておいておいても、色がやっぱりちょっと気になる。。。


そんな時に、ぎりぎりの本日、本業の仕事先の縁で、この「小松菜問題」(大げさ(^_^;))が解決してしまったのです!


「無水調理」です。

ちょうど支援先が『味わい鍋』というアルミ鋳物で作った優れもの鍋を作っていて、開発のお手伝いなどをする関係もあり、「そうだわ!」と、無水で塩だけ振って下処理してみたら、これがビンゴ!(*^_^*)
お雑煮の中に入れても水っぽさもなく、小松菜の味も良く感じられて、トッピングする形だから色も良いではないですか!


あぁ、これで解決、解決!とご満悦の粕谷でした。


そんな粕谷のひそかな工夫なども入っている「東京風雑煮」も5日・6日にランチで召し上がっていただけます。食べに来てくださいませ!



お雑煮やさん

この試作では、のっけていませんが、ナルトのピンクも入りますよ~!






お雑煮やさんは、金曜日・土曜日のお昼間(11:30~15:30)だけオープンしているお店です。

(夜はミュージックバーTOKI80'90'sさん。ワンコインで音楽やおしゃべりの楽しい時間が過ごせるバーです)


お雑煮やさんには、メニューがたくさんあるわけではありません。

当面は、週替わりで全国各地からセレクトしたご当地名物雑煮を2種類だけ。

お餅は色んなバージョンでプラスメニューとして用意する予定ではありますが、

基本は「お雑煮2種類」のみ!


ランチとしては

2種類のお雑煮を食べ比べして楽しんでいただけるように、ダシやお餅の種類を変えてセレクトしています。

さらに、ランチなのですから、箸休めになるようなちょっとしたお惣菜を3種類セットしてご提供させていただきます。


例えばこんな感じ。↓


お雑煮やさん

卯の花・ひじきの煮物・白菜とキュウリの浅漬け・・・なんて具合。


10月5日(金)・6日(土)のお雑煮メニューは、


「香川のあん餅雑煮」と「東京風雑煮」の2種。


今回のお雑煮セレクトは、実は全く具材が被ることがない内容になっていて、実は栄養的にも抜群に良い内容になっているんですよ~。


■あん餅雑煮

「白みそ(讃岐みそ)仕立てのいりこダシ」「丸いあん餅を煮たもの」

「サトイモ」「大根」「ニンジン」「あおさ」

■東京風雑煮

「すまし汁。カツオ昆布ダシ」「焼いた角餅」

「鶏肉」「小松菜」「しいたけ」

■お惣菜

「卯の花」「ひじきの煮物」「白菜・きゅうりの浅漬け」


お野菜も食物繊維もタンパク質もしっかり摂れる、実はなかなかヘルシーな献立でもあるんです。


このお店の主役は、全国各地のご当地お雑煮で、
栄養もヘルシーも関係ない!『とにかく地域色豊かなお雑煮を食べ比べして面白がっていただきたい!』という願いが前面にあったのですが、結果として、なかなかヘルシーで体健やかな献立にもなってしまった、という副産物です。(*^_^*)


惣菜はお雑煮やさんパートナーのM氏セレクトでございます!


全部セットで900円。


是非ご来店の上、お召し上がりくださいね!





いよいよ来週の金曜日・土曜日が「お雑煮やさん」オープンなのだわ、と最近の粕谷は毎日毎日餅ばかり食べています。


母からは、「あんた、また太るわよ」とかなーりイジワルを言われながら、家で食べる食事はすべて餅ばかりなり・・・です。


けれど、

餅=太る・・・ではありませんからねっ!


そうよ、私は一応栄養士でもあったのだわ。餅の栄養についても語っておかなければ!


お餅は普通市販で売られている切り餅の場合、一個50g。

一食で2個食べたら100g。


一方、ご飯は、女性の場合で

一膳150gぐらいでしょうか。

男性なら200gぐらい食べてしまうかな。


単純に100gで、ご飯と餅を比較したならば、

餅・・・  235kcal

ご飯・・・168kcal

で、餅の方がカロリーは高いのですが、食べる量に注意さえしたら、餅を食べたら太る、というわけではないのです。


実際、「お雑煮やさん」で提供させていただくお雑煮は、それぞれのお椀に餅はひとつしか入っていません。

「お雑煮やさんランチ」は、2種類のお雑煮+惣菜形式ですので、

基本はお餅は100g程度です。


ならば、ご飯一膳150gならば、252kcal。

お餅2個で235kcal。

ほとんど変わらないわけですよ。

それに、お雑煮は汁ものでしょう?

だから、2種類のお雑煮を食べると結構な満腹感があって、食いしん坊粕谷も十分満足できる食事量になってしまうので、ご安心ください。

(男性で、「俺には絶対足りないっ!」と思われる方は、お餅の追加も出来ますから声をかけてください。)



さてさて、本題は本日の私の夕食でした。


本日の私の夕食は、来週・再来週にご提供する予定の「白みそ」雑煮2種の食べ比べ夕食、となりました。


もっと良い写真を撮れよ!とお叱りを受けてしまいそうな下手っぴ写真で申し訳ありません。


来週 5日・6日のメニューに組み込んでいる香川の「あん餅雑煮」と、

再来週12日・13日のメニューに組み込んでいる奈良の「きなこ雑煮」を2つ作って食べたのです。


どちらとも共通するのは、ちょっと甘い・・・(笑)

そして、白みそを使っていることです。


けれど、一言で「白みそ」と言っても、味噌の種類は異なります。

香川のあん餅雑煮に使用している味噌は、讃岐味噌。

奈良のきなこ雑煮に使用している味噌は、西京味噌。

見た目には全くわからないと思いますが、味噌だけをペロっと舐め比べしてみると、「あぁ違うね・・・」とよくわかります。


そして、味噌が違うだけでなく、「ダシ」がまるで違う。

香川のあん餅雑煮は、「いりこダシ」。奈良のきなこ雑煮は、「昆布ダシ」。


実に実に、ダシが違うと全く別物です。

並べて食べ比べると、あまりの違いに当たり前ながら「ほぉ~~」と頷いてしまいますよ。


今回の雑煮は、2種類とも具材に動物性タンパク質である肉や魚が入っていません。けれど、ダシで「いりこ」(←カタクチイワシ。つまり魚)を使う香川雑煮は、コクがあります。讃岐味噌自体もコクがあるタイプなので、とろっとシチューを感じさせる味わいです。

一方、奈良のきなこ雑煮は、完全に動物性のものを使っていない精進料理に近いサッパリ淡白な風味です。


きなこ雑煮は、雑煮の汁の中から「わざわざ」餅を取り出して、別皿にあるきな粉につけて「安倍川もち」にして食べる、という変わり種の雑煮なのですが、実際に食べてみると、何となくその理由がわかるような気がしてきます。


たぶん、雑煮汁がとても淡白なので、味に変化をつける意味もあったんじゃないかなぁ・・・なんてね。



お雑煮やさん

奈良のきなこ雑煮です!


焼いた丸餅に、サトイモ、ダイコン、ニンジン、お豆腐が入っています。

昆布ダシのとても淡白なお味。さいの目に切ったお豆腐も入っています。


そして、雑煮汁の中から焼いた丸餅を取り出して、きな粉に付けて「安倍川もち」にして食べます。


お雑煮やさん

写真がへたくそで汚いのはご容赦を!


そして、こちらは香川のあん餅雑煮。



お雑煮やさん

一見すると、普通の白みそ汁のようですが、たっぷり甘いアンコが詰まった「あん餅」がどんと鎮座しています。

汁の中でぐちゃっと割って、アンコと白みそが混じる妙。。。

具材は、サトイモ、ダイコン、ニンジン。

最後に振り掛けているアオサが良い仕事をしてくれていまして、磯の香りも楽しめます。


どんな味だよっ?!


と思われるかもしれませんが、これがなかなか白みそ(讃岐みそ)と合っているんですよ。塩分が低い甘みそですから本当にアンコと混じってシチューっぽいんですよねぇ。


ちなみに、お椀にあん餅がべた~っと引っ付かないように、実は小技があります。



お雑煮やさん

盛り付ける初めに、ダシで煮た丸いダイコンをお座布団のように敷いて置くんですよ。このダイコン君の上に、煮たあん餅を鎮座させてあげるのです。


こんな小技が施されているのです。(*^_^*)


甘いタイプの雑煮同士を食べ比べてみた本日の粕谷でした。








全国各地のお雑煮を調べていくと、味噌仕立て、すまし仕立てに大きくは大別されるのですが、その話は今は横にどけといて、「ダシ」について語っちゃおうと思います。


例えば、すまし・・・と言っても、ダシの取り方がずいぶんとこれまた違うのですよ。


■カツオ・昆布だし

■昆布だけのだし

■イリコだし

■アゴ(トビウオ)だし

■ハゼだし

■スルメだし

■鶏ガラだし

■焼きえびだし ・・・


と、色々。

他に具材から出る旨味も加わり変化しますから、雑煮の汁はなかなか千差万別、楽しいものです。


「だし」については、

丸ちゃんの「だし辞典」 がわかりやすく書かれていて一読すると楽しいです。

日本では、だしと言えば戦国時代から江戸時代初期ぐらいにかつお節が加わりぐっと日本の食文化に深みを作ってくれたものですが、今や定番の「かつお昆布だし」以外に、これだけ色々なダシの形が飛び出してくれちゃうところが、お雑煮らしいとこだなぁ、と思います。


具材がてんこ盛りのお雑煮もありますが、実に実にシンプルな具材のお雑煮もあります。そうすると、「だし」の旨味に俄然意識が集中してしまいます。


例えば、加賀雑煮。


お雑煮やさん

丸餅にネギしか具材が入っていない、という究極シンプルなお雑煮です。

このダシは、スルメだし。

昆布とスルメを一晩おいて、じっくり旨味をだしていただきます。

武家っぽいというか、究極シンプルで、スルメの独特な甘みというか風味がコレまたウマイのです。


同じくスルメだしを取る地域は、他にも岡山などちょこちょこ点在しているようです。こういった地域では、正月時分にはお店にズラっと半端なくスルメが並んでしまうことでしょう。しかも、大抵は、普段はスルメでだしをとっているわけではなく、雑煮に限る、ってことも、ふ~ん。。。と思うことです。


我が家などは、香川出身の母が普段使っているダシは、正月に限らずいりこだしで、「かつお昆布だし」よりもむしろ「いりこ」の消費量が多い。いつでもいりこ。・・・でも、お雑煮に限って、というスルメだしみたいな特別感もまたステキですよね~。


雑煮のだしに限る・・・っていうと、仙台のハゼだしもそうです。雑煮のためにこれまたこの時期だけ主役級の扱いでこんな風に↓焼きハゼとして出回る。


お雑煮やさん


ダシの比較も実に楽しいのが、お雑煮なのです(*^_^*)


お雑煮やさんでは、ランチで出す2種類のお雑煮は、だしが違うもので組み合わせてお出ししますから、是非香りや風味もじっくり味わって比較してみてくださいね!