今回の対談では、「メタトレンド投資」をテーマとして、ロボティクス・自動運転・ドローンなど、今後世界を大きく変える領域について議論が進められています。冒頭では、これらの分野が今後確実に世界的なトレンドになり、特に2023年前後から大きく伸びる「非常に大きなチャンス」であると指摘されます。
■ ロボット産業と日本の可能性
現在、産業用ロボットのサプライチェーンは大半が中国に依存しています。しかし「中国に頼れないなら、他の誰かに頼るしかない」。そこで、日本がその代替として入り込むチャンスがあるという見方が示されます。
産業ロボットの世界では「4強」のうち日本が“3強に入っている”という状況も紹介されました。
■ 番組の紹介とゲスト
番組は「投資をより楽しく実りあるものにするため」に有識者の深い対話を引き出すシリーズ。今回のテーマは「メタトレンド投資」。
ゲストは 2 名です。
◆ ゲスト① 中島氏
中島氏といえば「メタトレンド投資」。
投資を始めたきっかけは高校生のころで、NECのPC用デバイスドライバー開発を依頼され、1週間の作業で50万円を得た経験から始まります。
● NECとマイクロソフトの複雑な経緯
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中島氏の書いたコードを NEC が長期使用
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NEC が独自BASIC を作った際にもそのコードが使われていた
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正式なライセンスは CP/M 用で、NEC は知らずに使っていた
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アスキーが NEC にライセンス契約を提案 → NEC が「うちは独自 BASIC がある」と断る → しかし実は中島氏のコード利用が Microsoft の権利に抵触
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結果的に NEC は Microsoft BASIC を正式採用
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その後、PC の標準 OS は MS-DOS → Windows へ
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NEC のシェア低下へ繋がる一連の流れがここで始まった
● ロイヤリティ契約の発想
学生時代、中島氏はコードを“時給”で売ることに不満を持ち、途中からロイヤリティ契約に切り替えて成功。
マウス普及のためのソフト(CAD系)開発を依頼された際にもロイヤリティ契約を選択し、それがヒットした。
◆ ゲスト② 太郎氏(YouTuber・テック代表)
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経済産業省系の公益法人で「電気用品安全法」関連の業務に従事
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パナソニックグループで FA(工場自動化)・装置の業務
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2020年に YouTube 活動を本格化
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現在は株式会社テックの代表取締役
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登録者数は 30 万人超
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ハード系技術(半導体、コンデンサー、電池など)をわかりやすく解説
自身も投資は行うが、積立中心で「専門的な投資家」というよりは、興味ある会社を少量買う程度とのこと。技術解説動画で紹介した企業の株価が後に急騰するケースもあるが、自身は製造業株はあまり保有していないと語る。
◆ 中島氏の「メタトレンド投資」の考え方
基本的には「応援投資」。
会社が素晴らしいと感じたら、製品を買う・株を買う・そして(可能なら)アプリを作るという“3セット”行動を行うという話が印象的です。
● 日本のガラケー文化が世界を先取りしていた
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2001 年頃、日本では携帯電話がすでにネット接続し、銀行残高確認なども可能
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世界ではまだこの段階まで到達していなかった
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中島氏が「ガラパゴス」と表現したのは“褒め言葉”で、
「日本という島で異常進化を遂げた技術」という意味
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この流れから「世界的にも携帯からネット接続が普及する」と確信
● iPhone との出会い
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2007 年のスティーブ・ジョブズのプレゼンを現地で見た
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iPhone を購入
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株も購入
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さらに翌年 SDK が公開されアプリが作れるようになり、自身も参入
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App Store 開設時のアプリ 200 個のうちの 1つが中島氏の作品
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Instagram 登場前、写真シェアアプリで 2 年間世界1位を獲得
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1 億ドルで売却の機会があったが逃す(ただし Apple 株の上昇で結果オーライ)
◆ 投資判断の基準
中島氏は、
「新しい流れが確実に来る」
「エンジニアとして技術が未来を変えると実感できる」
という場面で強い確信を持ち、製品 → 株 → アプリ制作 まで一体で行動する。
太郎氏は「エンジニアは自分の作ったものに惚れて冷静な判断ができないことがある」と指摘したうえで、中島氏には客観的視点があると評価している。
◆ スティーブ・ジョブズへの思い
最後に「ジョブズに惚れた」という話題へ。
太郎氏は「あまりジョブズに“惚れた”感覚はない」と述べるが、中島氏は深く影響を受けた人物として語っている。
ジョブズにどこが魅力的なのかと聞かれると、中島さんはこう語ります。
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ジョブズは技術そのものよりも、「世界をどう変えるか」「人間の体験をどう変えるか」という視点にこだわっていた。
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多くの技術者がスペックや機能に注目しがちなのに対し、ジョブズは “人間中心” に発想する稀な存在だった。
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プレゼンテーション能力も際立っており、「世界がこう変わる」という未来像を鮮明に提示する力が飛び抜けていた。
太郎さんは「プレゼンのうまさは確かにすごいが、そこまで惚れ込むほどではなかった」と率直に返す。しかし中島さんは、ジョブズの魅力は “技術者としての感性” を刺激する部分にあると続ける。
特に iPhone の発表会に立ち会ったことは中島さんにとって決定的だったという。
この “直感と行動のセット” が、中島さんの投資スタイルを象徴している。
一方で太郎さんは、エンジニアが自分の開発物を愛しすぎてしまうと冷静さを失うことがある、と指摘する。中島さんはその点には同意しつつ、
「自分が好きになった技術・会社を応援する」
という姿勢が投資にも通底していると話す。
ただし好きだけではなく、
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産業構造
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技術の本質
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消費者体験の変化
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世界の時間軸の違い(日本と世界の発展速度差)
といった複合的な視点が揃ったときに “メタトレンド” を捉えられる、と中島さんは説明する。
● 技術の“本質”をどう見抜くか
中島さんは、自分がどの技術に投資するかを判断するときは、まずその技術が本当に「生活を変えるレベルでインパクトを持つか」を考えると語ります。
単なる便利さではなく、
太郎さんは、技術の世界では“細かい改善”のように見えても、それが後々巨大な変化につながることがあると補足します。
ただその一方で、本当に世界を変える技術はそう多くはなく、見極めが難しいと指摘します。
● 中島さんの「世界の時間軸」感覚
中島さんは、日本と世界の発展スピードの違いをよく意識する、と話します。
この“時間軸の違い”を理解しておくと、未来のトレンドを読むときに有利だといいます。
● 「未来が確実に来る」タイミング
中島さんは、技術トレンドには“確度が高い波”があると説明します。
例えばスマートフォンの黎明期は、初期の段階で
「これは世界中で普及するに決まっている」
と確信できたそうです。
この“確度の高さ”を見出した瞬間、
太郎さんもこれには同意し、「確かに2010年前後はスマホ時代に向かう空気が完全にあった」と述べます。
ただし、太郎さんは「確信してても行動に移せる人は少ない」と指摘し、中島さんの実行力を評価します。
● メタトレンドと投資の成功例
中島さんが語る“メタトレンド投資”とは、株の売買技巧ではなく、
「次の時代を作る技術や企業を深く理解し、早く気づき、応援していく」
という姿勢です。
過去にも、
と、「技術の大きな波」が連続してやってきました。
そして現在、次の波として挙げられているのが、
中島さんは「この波は必ず来る」と強調し、これは個人の好みではなく歴史的必然だと述べます。
● 太郎さんの現場感
太郎さんは、元エンジニアとして製造現場を見てきた経験から、ロボティクス分野の伸びが“実際の業界の現状としても間違いなく来ている”と証言します。
技術者不足・自動化需要の増加・労働人口の減少など、背景も揃っているためです。
ただし彼は「一般投資家がその波に乗るには、幅の広さと複雑さが難しい」と説明します。
泉さんは、サービス運営の中で最も重視している点として、
「心理的な安心感」と「利用後のメンタルケア」 を挙げています。
彼によれば、利用者の中にはこれまでの人生経験から、
人間関係や恋愛、自己肯定感に深い悩みを抱えている方が少なくなく、
サービス当日はもちろん、事前相談や利用後のフォローが欠かせないそうです。
特に、
泉さんは次のように説明しています。
「お客様が“怖い”“緊張する”という気持ちを言葉にできるようになるまで、
こちらから急かすことはありません。
‘今日やめておきましょうか’という提案も普通にします。」
また、サービス提供者(キャスト)に対しても徹底した研修を行っており、
接客マナーや衛生管理はもちろん、
心理的サポートの基本、境界線の尊重、無理をさせない技術 などを重視しているとのことです。
さらに泉さんは、これは単なる“風俗”ではなく、
「自己肯定感の回復や、人との接し方を取り戻す場として機能することがある」
と語っています。
一方で、誤解されやすい仕事でもあるため、
偏見やネット上の噂に悩まされることもあり、
その点については社会の理解が進んでほしい、とも述べていました。
泉さんは、利用者とのコミュニケーションで最も大切なのは
「相手の感情を、そのまま否定せず受け止めること」
だと強調します。
多くの利用者は、誰にも言えない不安や孤独を抱えて来店します。
そのため、泉さんはキャストにも「技術よりもまず対話」を徹底させています。
具体的には、
といった姿勢が求められるとのことです。
泉さん自身も多数の現場を経験し、
その中で「人は、安心感さえ得られれば、
自分のペースで自然に心を開いていく」ということを学んだといいます。
■ 利用者が求めているものの多様性
利用者のニーズは非常に幅広いそうです。
必ずしも性的な目的だけではなく、
「安心できる他者との関わり」 を求めるケースが多いのが現実だと泉さんは語ります。
「“性サービス”という言葉のイメージに縛られがちですが、
実際の現場はもっと繊細で、人との距離に悩む方が多い世界なんです。」
■ 社会的な誤解と課題
こうした活動には誤解も多く、
“軽い気持ちで利用するもの”だと捉えられたり、
偏見や嘲笑の対象になることもあるといいます。
しかし泉さんは、
「誰かを癒す仕事である以上、軽視されるべきではない」
と話し、社会的な理解の必要性を訴えています。
特に、
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心理的ケアの重要性
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同意の徹底
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キャストの安全確保
-
利用者のプライバシー保護
といった点は、一般のイメージ以上に慎重な運営が求められる部分です。
泉さんは、サービスを続けていく中で、
「人が誰かと向き合うことの難しさと、向き合えたときの尊さ」
を強く実感したと言います。
■ 利用後に生まれる“変化”
サービスを受けたことをきっかけに、
利用者が少しずつ自分を取り戻していく様子を見ることがあるそうです。
たとえば、
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人と話すときに目を見られなかった方が、徐々に視線を合わせられるようになる
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「自分なんて」と否定ばかりしていた方が、少しずつ自己肯定的な言葉を使えるようになる
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身体的接触に強い恐怖があった方が、「大丈夫かもしれない」と前向きになれる
こうした変化が見られたとき、
泉さんは「こちらの方が救われる思いになる」と話しています。
「サービスを提供する側のつもりが、
いつのまにかお客様から大事なことを教えていただくことも多いです。」
■ キャストの働き方とメンタルケア
また、キャスト自身のケアも非常に重要だと述べています。
この仕事は、
利用者の悩みや弱さを間近で受け止めるため、
キャストの感情に負担がかかる場面も少なくありません。
そのため泉さんは、
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定期的な面談
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感情を抱え込まないための相談窓口
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体調不良時の無理な出勤禁止
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給与や労働時間の透明化
-
安全対策の徹底
といった仕組みを整えているとのことです。
「人を癒す仕事である以上、
キャスト自身が不安や疲れを抱えた状態では成り立たない」
という考えから、組織として支える体制づくりを大切にしているそうです。
■ 今後の展望
泉さんは、今後の目標として
“心のケアと性に関する支援を、もっと当たり前に語れる社会づくり”
を挙げています。
性に関する悩みや、親密な関係への不安は、
本来誰にでも起こり得るものであり、
もっとオープンに相談できる環境が必要だと考えているそうです。
また、将来的には、
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心理の専門家との連携
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セミナーや相談会の実施
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利用者が自分のペースで成長できるプログラムの拡充
など、サービスの周辺領域も広げていきたいと語っていました。
泉さんは、サービスの価値を「癒し」や「安心」にとどめず、
“人生の再スタートを切るきっかけになってほしい”
という思いも持っています。
■ 利用者が再び社会とつながるために
泉さんによれば、利用者の中には、
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長い間、人間関係で傷つき、人を避け続けてきた方
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恋愛や家庭環境の問題で自信を失った方
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過去のトラウマで身体的接触そのものが怖くなった方
など、社会とのつながりが途切れかけているケースも多いそうです。
そうした方に対して、
サービスの中で得られる「他者と安全に関わる経験」が、
次の一歩につながることがあるといいます。
「一度“怖くなかった”“優しくしてもらえた”という体験があるだけで、
次に誰かと会うときのハードルが大きく下がるんです。」
これが、泉さんがこの仕事を続ける大きな理由のひとつだと語っています。
■ 業界の透明性と社会的理解
泉さんは、業界全体が誤解されがちな点についても触れ、
透明性の向上が最も重要な課題 だと述べています。
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金銭のやり取り
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ルールの徹底
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同意の確認
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プライバシー保護
-
トラブル防止
こうした運営の基本を見える化し、
「危険」「不透明」といったイメージを払拭していく必要があると感じているとのことです。
また、心理的ケアを伴うサービスとしての側面を社会が正しく理解すれば、
もっと健全で安全な形の業界へ発展できるはずだと話しました。
■ 相談に来る段階で“すでに一歩踏み出している”
泉さんが最も強調していたのは、
相談に来るだけで大きな一歩だということ です。
サービスを利用しない日であっても、
事前相談の段階で、利用者が自分の気持ちを少しずつ言語化したり、
「怖いけど相談してみたい」という気持ちを持つだけで、
回復や前進が始まっているといいます。
「うまく言えなくても、途中で泣いてしまっても、
それでも話そうとしてくれる時点で、その人はもう動き始めています。」
泉さんは、その一歩を支えることに、
この仕事の一番の価値があると感じているようでした。
■ まとめ 〜泉さんが語る“人を癒す仕事”の本質〜
泉さんの話の中で一貫していたのは、
この仕事は単なる「サービス業」ではなく、
“人と向き合うこと”そのものを扱う仕事 だという点でした。
利用者が感じる不安、孤独、緊張、自己否定感…。
それらに対して、技術より先に必要なのは、
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安心できる空気
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尊重されているという実感
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無理をさせない姿勢
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誰かに受け止められる体験
といった、ごく人間的なケアです。
泉さんは、この仕事を通じて、
人間関係で傷ついた人が再び他者と関われるようになる瞬間に立ち会えることを、
「何よりのやりがい」だと感じていると語りました。
そして、利用者だけでなく、
キャスト自身の心や安全を守る仕組みを整え、
“癒す側”が疲弊しない環境づくりにも力を入れていることが、
泉さんの運営に対する誠実さを示しています。
最後に泉さんは、次のように締めくくっています。
「人は誰だって寂しくなったり、自信をなくしたりします。
そのとき少しだけ頼れる場所があれば、人生はもう一度立て直せる。
僕たちはその“最初の一歩”を支える存在でありたいんです。」
この言葉は、サービスの本質が単に“癒す”ことにとどまらず、
人が自分らしさを取り戻すための伴走者でありたい
という強い願いを象徴しています。