(2023年度-No.23)

行った日:2023.3.7(火)

ブログ作成日 :2023.3.23(木)

 

前回の一条大路に面した 昔懐かしい そしてユニークな店の紹介に続き

今回は 三条大路の老舗を紹介したいと思います

 

 

一条通から北野天満宮に行き そのあと三条大路の入り口まで 千本通を南下

しかし 大通りが好きでない私は ついつい一本内側を通りたくなります

 

仁和寺街道を横切り ふと上長者町通をのぞくと なんと!

 

 

これは全く想定外の発見!

この映画館は ポルノ映画を上映する劇場ですが

営業開始は昭和61(1961)年の五番街東宝が前身

 

 

この近くで見つけた仁丹町名表示板には「六番町」とありますが

映画館のある場所は「五番町遊廓」の花街組合事務所跡 

 

ここでピンときた方は 水上勉の小説がお好きな方

そう「五番町夕霧楼」の舞台となった所です

 

*私は 余呉湖を舞台にした 「湖の琴」が 水上作品としては好きです

いずれも 哀しい物語の中に 陰影に富む人の本質を描いています

 

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たまたま見つけた映画館の前の道を進むと これも想定外の発見

 

元禄年間創業(創業340年)を誇るスッポン料理店「大市」がありました

 

 

店のHPによると 暗夜行路を書いた志賀直哉

瀬戸内寂聴(晴美)など著名人も来たそうです

 

 

スッポンは高級料理 店のお品書きでは 

鍋のみで 一人前 26.000円なり (*゚д゚*)

 

ここのスッポンは アルカリ性の良質脂肪なんだとか

でも ちょっと近づけません

 

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私には縁のない 二軒の店から更に歩き いよいよ三条通に入ります

 

前回の「北野商店街」以上に幅が広く 人通りも多い 

アーケードのある商店街が続きます 

(観光客よりも ここで生活されている方が多い)

 

 

そんな中で さりげなく佇むこの店は なんと創業が天保五(1834)年 

ずっと線香や焼香など よい香りだけを扱ってきた店のようです

 

この通りには もう一軒 「香り」に関する店がありました↓

 

 

こちらは 創業が安政2(1855)年の 「におい袋」専門店 「石黒香舗」

友禅や西陣織の巾着袋と紐を選び オリジナルのにおい袋を購入できます

 

 

三条通には こうした江戸時代創業の老舗が並んでいます

 

この足袋屋さん↓は 元治元(1864)年創業の「分銅屋」

その前は 薬を扱ったので 目方を量る分銅が店名の由来

 

 

防火のために 黒い漆喰が塗られた店構え

裏の住宅と棟が繋がり 職住一致の「表屋づくり」と言われる古い町家です

 

 

どんな足にもフィットする足袋を作ってもらえるそうです

 

 

一方こちらは 新しいジーンズの店のようですが 暖簾が凝っていますね↓

一見 ずり落ちてこないか不安になりましたが 大丈夫

 

 

薬研 仏像 お菓子の型 通い帳 香合 ・・・なんでも売ってる変わったお店↓ 

 

 

歩いている内に こんな仁丹町名表示板を発見

 

 

釜座(かまんざ)町 なのでこんな店がありました↓

 

 

上の表記は「釜師」 下の表記は「御釜師」

 

 

この酒屋さんも 防火のための黒壁が塗られた老舗のようです

 

 

三条大路もソロソロ終わりを迎え 寺町京極通りとクロスして

河原町三條に抜ける前に ビルの合間にこんな看板が・・・

 

 

「御針所」・・・これはどう見ても時代もんの看板です

「みすや針」と新しい案内灯もありますが ちょっと入りにくい

 

 

勇気を出して進んでみると かわいい刺繍がされた暖簾があり

 

更に進むと・・・

 

 

いい感じ! 板の廊下となっており その奥にお庭が見えてきました

 

左手の壁には 明治9(1876)年に 京都府博覧会で受賞された

お店の銅牌が掲げられていました

 

 

入ったすぐ右手にあった 御釜

 

 

これでお湯を沸かし お客様に抹茶での接待をしたそうです

 

 

水をくみ上げた井戸

 

 

奥にある春日灯籠とは違って 手前のは 形の個性的な雪見灯籠のようです

 

その奥に お店がありました

 

 

ここは いったん入ったら もう何かを買わずには

出られそうにありませんが 思い切って中に入ってみました

 

 

店のご主人は 限りない「針愛」を持っておられ それでも大変気さくな方で

面白おかしく 色んなお話を聞かせてくださいました

 

慶安4(1651)年 宮中の御用針司となり 

五年後に屋号を賜って創業したそうです

 

「京都は着倒れ」・・・それを支えるのがここの「みすや針」

荷物にならない京土産として歌にも歌われたとのこと

 

今回の最後を締めくくる 良い店に出会えて良かった

 

妻は裁縫が好きなので 針を買っていました

 

 

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ここから 京阪電車帰るのですが

なにしろ17Km(27000歩)も歩いた上に 随分遅くなったので

京橋で最後の「店巡り?」

 

 

次々と注文し 日本酒も飲み 一日の振り返りに花を咲かせ

楽しいひとときを送りました

 

次回は 三条通で見つけた 近代建築の数々を お送りします