(2022年度-No.65)

出かけた日: 2022.11.7(月)

ブログ作成日:2022.11.9(水)

 

今回は珍しく 文語体で書きます

 

****************

 

朝 ふと思い立って 加西市にある「鶉野(うずらの)飛行場跡」に行くことにした

 

<往復で214Kmの行程>

 

昨日のテレビでは ロシア動員兵大隊全滅 戦死者500人に上ると報じていた

 

ロシアの不当な侵略によって引き起こされた 今回の戦争

ロシアの敗退は望ましいことだが 

無理矢理かり出され死亡したロシア人やその家族の悲しみを思うと

戦争は 決して起こしてはならない

 

 

話を「鶉野(うずらの)飛行場跡」に戻して・・・

 

 

加西市地域活性化拠点施設「soraかさい」に着いた

 

ガラス張りの 大きな壁面の向こうに 

戦闘機「紫電改」の姿が うっすらと見える

 

 

正面入り口にまわって見ると 以前から建てられていた 平和祈念の碑がある

 

その向こうには 広々とした滑走路跡が広がっている

 

 

この国有地が加西市に払い下げられ それを機に 

この4月からオープンしたのが 「soraかさい」だ

 

< 転圧ローラー ↑ >

 

滑走路が現役の頃 十数人で地盤を固め整地するために使われたもので

なんと御影石を円形に削って 作られたものである

 

戦後は加西中学校で使われていたそうで 生徒も大切に使っていただろう

 

 

奈良の小学生が 遠路はるばる バスに乗って見学に来ていた

 

さて 中に入ってみると

 

 

ここは旧⽇本海軍の練習航空隊の飛行場跡 正式名称は「姫路海軍航空隊」

 

 

⾶⾏場の南西部には 昭和18年末頃に 川⻄航空機姫路製作所鶉野⼯場が設けられ

 終戦までに 「紫電」「紫電改」など 500機余りの戦闘機が組み⽴てられ

この飛行場で試験飛行が行われたという

 

 

昭和20年2月 姫路海軍航空隊においても 神風特別攻撃隊「⽩鷺(はくろ)隊」を編成

ここから 出撃基地である鹿児島県串良へ飛び立ち

沖縄での作戦で 63名の尊い命が失われた

 

 

こうした歴史が 昨夜のロシア兵の戦死者500人と重なる

 

 

 

*****************

 

若い特攻隊員が どのような気持ちで出撃していったか

鹿児島にある「知覧特攻平和会館」では 特攻隊員の心の内を

家族に当てた多くの手紙の中から 垣間見ることができる

 

<2006年・知覧にて撮影>

 

しかし ここの展示は 戦闘機主体で いわゆる「かっこよさ」が前面に出てしまい

戦争というものが 若人の心と肉体を引き裂いていった 歴史的事実に 関心が行きにくい

(寄せ書き・遺品・プロジェクターによる映像などはあるが)

 

そんなことを考えながら 喫茶シフクを開店

そのせいか 珈琲がうまく はいらなかった

 

 

コンビニで買ったサンドイッチを食べ

気を取り直して 歩いて 戦争遺跡巡りに出かけることにした

 

まずは 自力発電施設を備えた 「巨大防空壕跡」

 

 

隣に並ぶ牛舎と変わらない大きさ

 

 

ここで 特攻隊員達の出撃前に残した遺書を公開しているそうだが

見ることができず とても残念だった

 

 

コンクリート製だが 物資不足か 粗造り

 

 

続いて 攻撃してくる飛行機を迎え撃つための対空機銃座跡に行く

 

 

この地では 20年6月から3度にわたって空襲を受けている 詳細は不明だが

これだけの規模の飛行場があれば 狙われてもおかしくなく

迎え撃つための こうした施設が造られたのだろう

 

 

この展示を見ていると 当時の若い日本兵の姿や 

ロシアの侵攻に反撃する ウクライナ兵士達の映像が浮かび

また重い気分となった

 

 

次の場所に移動途中 小さな池を通った

カモの群れに交じって 白鷺の姿が見える

 

 

神風特攻隊「白鷺(はくろ)隊」をイメージし 

その孤独で恐怖な心中を 探ってみた

 

 

これは 姫路海軍航空隊への入り口の 門柱と衛兵詰所跡

その横に設けられた防空壕は 立派なコンクリート製であった

 

 

そこからわずかに坂を下ると 防空壕の様相が変わってくる

 

 

昭和20年3月 アメリカの攻撃があり 急遽作られた防空壕

素掘りである

 

 

戦況が切迫してきていることが うかがえる

 

 

 

 

更に坂を下ると 弾薬庫跡が現れてきた

 

 

人が逃げ込む 素掘りの防空壕に比べ コンクリートの壁厚はおよそ1m

1t爆弾にも耐える構造らしい

 

 

天井部はアーチ状で 奥壁には換気口まで備わっている

人様より 兵器様である

 

 

今回ロシアでは 30万人が強制的に 軍隊にいれられたという

ほとんど訓練を受けずに戦地に送られ 死亡した人も少なくない

 

神風特攻隊の青年達は どうだったのだろうか

 

こんなことを考えると またまた気が重くなる

 

しかし こうした戦争遺産が キチンと残されたことは

戦争と平和の問題を しっかり考える上で 大切なことだ

 

加西の市民の皆さんに 感謝したい

 

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思いつきで突然来たので もうあまり時間がない

最後に 北条鉄道の「法華口駅」に立ち寄って 帰ることにした

 


ここは「法華山一乗寺への入口」に位置するので 

寺の塔を模した 立派なミニチュアがある

 

 

駅舎は 国の有形文化財で 以前は女性のボランティア駅長さんだったが

いまはどうだろうか

 

そして驚いたのは この駅舎前には電車は止まらず

隣接する新駅に 行き違い駅として運用されていた

 

 

 

旧駅舎内は 相変わらずレトロな雰囲気を残し

地元の方々が運営する 喫茶室となっていた

 

 

見学中に列車がはいってきたので 慌てて撮影

 

 
急な思いつきの行動ではあったが
有意義な一日となってよかった
 
 
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