<我が愛する近江八幡>
 今年は冷え込みがきつい分、いずこも紅葉が見事なようで、親しい友人夫婦と四人で湖東の商人文化に育まれた町「近江八幡」にドライブに出かけました。私たち夫婦は、なんどとなく訪れていますが、いつ来てもまた行ってみたいと思うほど魅力あふれる、愛する町なのです。何枚かの写真をもとにその雰囲気をお伝えしたいと思います。

イメージ 1
 
 豊臣秀次が城下町を開いたとき、当時の交通の幹線であった琵琶湖を往来する荷船を、すべて八幡に寄港させるためにもうけられた運河がこの写真の「八幡堀」で、水面に映った紅葉が鏡の世界を演出しています。ここは、時代劇の撮影場所としてよく使われているようで、タイムスリップしてしまいそうな雰囲気を醸し出しています。そのせいか、この堀にはいつ行っても絵描きさん達がいます。きっと、心の琴線を弾かせる魅力がこの堀にはあるのでしょう。以前、堀に沿った散歩道のそのすぐそばに木製の朽ちた剣先船が半ば沈んだ形で放置してあって、それが哀愁と歴史の重さを漂わせていたのですが、撤去されてしまっていてとても残念でした。
 ここでは、琵琶湖の土を活かした八幡瓦の魅力を見つめ直すことをテーマにした「かわらミュージアム」に立ち寄り見学しました。展示物もさることながら、八幡堀に面し歴史的景観にとけ込んだその建築自体が展示物そのものという、魅力あふれる博物館です。是非行ってみて下さい。
 
 
イメージ 2
 

 八幡堀に入る前に、琵琶湖に面した西国31番札所「長命寺」に立ち寄りました。車で上まで上がり、わずか100段弱の石段を登り息をきらしていましたが、下から上がるとなんと808段あるとか・・・。車は本当にありがたいものです。
 
  本堂からのぞいた三重塔や護摩堂の朱と紅葉、そして苔生す石や瓦の緑が額縁に入れた油絵のように見えました。

 
イメージ 3
 昼食は「酒遊館」という享保二年(1717年)創業の近江八幡唯一の蔵元が酒蔵を改装し、木のぬくもりをそのまま活かしたサロンでいただきました。去年のこの頃来たときはモロコの焼き物が最初に出てきて、そのあまりのおいしさに舌鼓を打ったものですが、今回は鮎の甘露煮でした。それはそれでなかなかの美味でしたが、ブラックバスなどの影響でモロコの稚魚が育たないと言う話を聞き、琵琶湖の生態系や環境をなんとか守らなければと、つくづく感じました。
 
イメージ 4
 
 酒遊館の近くの公園にあった立派な銀杏の木です。空の青と銀杏の黄色のコントラストがイイですね!
 
イメージ 5
酒遊館の帰りに、旧の郵便局を見つけました。大丸心斎橋店を設計したウィリアム・メレル・ヴォーリズが設計した建物ですが、曲線で飾られた窓が魅力的です。
 

 この後、車で東に進路をとり、永源寺に向かいました。平安時代に木工製品を作る技術集団の木地師が誕生した永源寺町。ここの紅葉も実に美しいものでした。門前には土産物屋さんが沢山並んでいますが、そこでは何も買わず、少し歩いたところにある「岡本こんにゃく店」で、おいしい美味しいこんにゃくを買って帰りました。