あと3週間・・・
去年はソロリサイタルができなかったので、春先にずれました。
3月19日(水)の夜7時から、いつもの海老名市文化会館小ホールでリサイタルです。

昭和感漂う『ドイツ音楽の夕べ』なるサブタイトル。
昭和100年を狙ったわけではなく、今回のプログラムを表す言葉を考えたら、やっぱりこれはドイツ音楽の美味しいあたりを並べているような気がしたもので。
(いや、バッハやハイドンがいないし、メンデルスゾーンだって登場してほしいところですが)
リサイタルを始めたころは、ブラームスを人前で弾く日が来るとは思っておらず、今回のチャレンジはまさにこの曲です。
音符の数が多いし、幅も広いし、やたら跳躍するわりに、そんなに難しいことをやっているようには聞こえてこないのがブラームスのちょっとイヤらしいところで(笑)、「コスパが悪い」なんて現代社会では言われてしまいそうな・・・
いやいや、そもそも芸術にコスパなんて言葉は似合わないし、すごいことやってます的なアピールをしたくて演奏するわけではありませんからね。
作品番号は1。若いころの作品ですが、シューマンが驚愕したエピソードで有名な名作です。
そう、ブラームスを弾いていると、芸術っていうものは「何か」を美しさの中に映し出す魔法みたいなものなんだなぁとつくづく実感させられます。
日常の中では、悲しかったり苦しかったりすることはどうしてもネガティブな要素になるし、楽しいとか明るいっていうものも、どこか宙に浮いてしまうような感覚に陥ることもあります。
でも、それを音楽の世界で描こうとすると、どこか抽象的な要素を含んで、聞き手の印象の中で多彩に変化します。
ブラームスの音楽はものすごく緻密に書いていたことで有名ですが、では精密かと問われると、案外そうでもない。
聞き手の印象に余白を持たせられるように、もっと言えば演奏者自身の感性にゆだねる部分があって、そこかしこにうれしい悩ませポイントがあるわけです。
(だったらもう少し弾きやすく書いてよって尾澤2号が言っていますが)
そんな作品を悩ましく練習し続けています。がんばります。