このシリーズは私と癌との日々を綴っていきます。こんな生き方をした人間がいたことが誰かの役に立てば。おざポンがどんなときでも一日一生で生きたことが教え子達の勇気に繋がれば。そんな想いを込めて。

 

(以下長文です。お時間のある際にお読みください)

 

 

私は左肺全摘手術から抗がん剤治療終了までは「癌と闘う」気持ちで立ち向かっていた。

 

これは高校時代の友達からFacebookでもらった励ましの言葉↓

余命の偏差値50は17ヶ月かもしれませんが、5年とは言わず、今度は教え子ではなくご自分の偏差値が80を越えるようにと祈念しております。その熱い想いを応援しています!

 

嬉しかったし励まされたし自身もそんな気持ちでいた。

 

 

 

しかし、癌が右肺に転移しステージ4となり、免疫チェックポイント阻害薬の投与が始まってからは闘うのではなく「共存する」ことにしていて、それがこのブログシリーズのタイトルにもなっている。

 

ボクシングで例えれば「ノーガード戦法」とでも言おうか。

両手を高く構えて相手のパンチを防御するのではなく、ブラ~ンと下げて防戦しない。

 

「癌さん、どうぞご自由にお攻めください爆  笑

 

「私は無駄な抵抗はしませんから~ウインク

 

「許された時間だけリングに立たせてくださいねおねがい

 

という気落ちでやってきた。

 

 

それが体によかったのかもしれない。悩みや不安や恐怖は軽減し、ストレスがかからなくなっているのかも。

 

免疫くんも私のために頑張ってくれているようだしね!

 

 

 

しかし前号までに書いたとおり、癌はいつか(そう遠くはない将来)攻撃ラッシュを仕掛けてきて、私はリングに倒れ込む。

そのときは「いい試合だった」と笑顔で試合(人生)を終える。

 

その覚悟はできている。

 

 

皆様にお願いがある。

もしあの世(天国と書くには心が痛む爆  笑)で再会したら、おざポンの生き方を正直どう感じたか教えてほしい。

 

いや本当は生きているうちに聞きたいのでコメントやメッセージやLINEを頂ければ最高!

 

 

 

私が塾屋人生で目指して積み上げてきたものは合格請負人としての仕事ではない。知識やノウハウの伝道師でもない。

 

 

子ども達に「自分もやればできる」という自己肯定感を与え、生き方を変え、未来を輝かしいものにするお手伝いをしてきたのだ!

 

 

それがどれくらい皆さんに伝わったか知りたい。

 

 

10年ほど前の教え子Kちゃんの話を紹介する。私の職業をよく理解して頂けると思うので(当時のFacebook記事のコピー)

東京の当時小学校6年生、中学受験の話だ。

 

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(2014年2月5日東京都渋谷区)

 

最後の入試応援が終わった。

7時30分にKちゃんのご自宅で待ち合わせ、8時8分に学校に入るまでのたった38分間ではあるが、彼女と私の中学受験に終止符を打つ、とてもとても長い時間だった。

 

ご自宅に向かう途中、涙が出てきた。

あれ?この涙はなんだろう・・・

 

偏差値がはるか上の難関校に対する恐怖感などない。

成績を上げてあげられなかった申し訳なさもない。彼女は十分力をつけた。第1回・第2回と同じ中学に連続で不合格を突き付けられた悔しさもない。

 

きっとKちゃんと努力を共にしてきたかけがえのない時間が私の頭の中で走馬灯のように駆け巡り、それが涙になったのだと思う。

 

純粋でひたむきな彼女の入試を最後まで全力で支えようと心に誓った。

 

実は今日の入試応援は一昨日から始まっていた。

既に難関校に3つ合格している彼女であったが、第一志望の本校には連敗。

それでも人前では涙を抑える彼女を塾に呼んだ。

思いっ切り泣かせてあげた。

2人で泣いた。

 

昨日は気分をガラリと変え、第3回試験に合格するための対策だ。第1回、2回の問題を私も全て解き、彼女にも解き直しをさせた。

採点すると、あと1問足りないことがわかった。

やはり中学入試は紙一重である。本校の今年の傾向も、彼女の得点・失点の傾向もクッキリとわかった。

「いいか、明日は大問1→大問3の順で解き、次は・・・」

勝つための戦術を伝えた。やることはすべてやった。

あとは当日朝の全力の応援だけだ。

 

今朝は6時台にKちゃんの住む街に着き、ご自宅の位置を確認し、ただひたすら7時30分を待った。

 

チャイムを鳴らすといつも通りの彼女がいつも通りの顔で出てきた。

 

「今の心境は?」と聞くと「緊張はしていない」と気迫を感じる表情で答える。

「よし、行くぞ!」

 

お母さんと近くの神社でお祈りをし、そこからは彼女と私の2人で受験会場まで行った。

 

手をつなぎながら、いろいろなことを話した。

・前の塾のこと

・転塾した理由

・第一志望校を選んだ理由

・嬉しかったこと

・悔しかったこと

・私に初めて習った時のこと

・正月特訓で勉強の合い間に駅伝を見たこと

・ライバルであり良き友達だったRちゃんのこと

・転塾してしまったHちゃんのこと

 

話せば話すほど、彼女と過した時間の重みを感じ、お母さんの想いを感じ、今度はそれが涙ではなく武者ぶるいにと変わっていった。

 

予定よりも早く、8時に学校に着いた。

Kちゃんが「ポン~!こんな寒い中で8分も待つの~?」と言った。

 

前回は8時に入って不合格だったので、今回は末広がりの八時八分に入ろうと計画していたのだ。

 

しかし今朝は今年一番の冷え込みである。

「いや、予定を変えて早く入ろう」と答えた。

お守りを渡し、最後の注意を与え、ほっぺをつねり、試験会場に入っていく彼女を見送った。

 

そのあと時計を見て驚いた。

時刻はきっちり八時八分だったのだ!

 

「お母さん、無事いい表情で入って行きましたよ!」と電話を何度もかけようと考えたが、そのとたん涙で声にならなくなってしまう危険性があったので止めておいた。

 

今はインターネットカフェで暖を取りながらこの文章を打っている。

彼女のお母さんも読んでくれるだろうから、これを報告の代わりとしたい。

 

あとは彼女が思いっ切り暴れてくればよい。

結果なんてどうでもいい。

自分の想いをすべて答案用紙にぶつけてくればいい!

中学受験を通して彼女はあんなに強く立派に成長したのだ!

この先の幾多の人生の荒波も彼女ならきっと乗り越えていける!

 

あ、いけない。また私の悪い癖が出てしまった。

こうしている時間にも、彼女は「合格を信じて」闘っているのだ。

今回は私も「あきらめないで」待とうと思う。

 

がんばれ、Kちゃん!

奇跡を起こせ!!

 

 

 

 

❏❏❏❏❏❏❏❏

 

(2014年4月18日東京都江東区)

 

ついに包みを開ける時がきた。

御礼にとKちゃんのお母さんから戴いたパスケース。

 

 

 

Kちゃんは残念ながら第一志望校に夢は届かなかったが、納得できる受験をし十分満足できる中学へと進学した。

 

そのKちゃんがLINEで「ちゅーがくたのし」と書いているのを今朝見つけた。

よかった*\(^o^)/*

 

お母さんからこの御礼を戴いて二ヶ月。

あの子との中学受験は真の意味で終わりを告げた。

 

タクシー運転手に例えるなら、お客様が安全に建物の中に入っていったことを見届けたカンジなのかな?

 

彼女の未来に幸あれ!!

 

 

 

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(コピペは以上)

 

 

受験は毎年様々なドラマが切れ目なく繰り返される。これを40年続けた自分を少しは褒めてあげたい!(笑)

 

でも胃がんじゃないのは不思議?爆笑

 

 

 

 

私に残された時間がどのくらいあるかは知る由もないが、最期の時まで目の前にいる子ども達に全力で向き合っていきたい。

 

 

 

ちなみに肺がんステージ3になった時点(2022年6月)で5年生存率は約25%

 

免疫チェックポイント阻害薬投与開始時点(2023年3月)で生存中央値約17か月。※本日時点で約17か月経過

 

癌の完治確率は約0.1%(1000人に1人)というのが私に突き付けられた“現実”である。

※5年間を再発なしで経過したら治癒したと考えられることも多いがここでは文字通り完全に治るという意味で記した

 

 

それでも私は前を向いて生き、天寿を全うする!!

 

 

 

人生は平等ではない。

肌の色から始まり命の長さまでも。

でも唯一平等なものがある。

 

それは与えれた時間を懸命に生きる権利だ!

 

 

 

 

↓ぜひ観てほしい動画

涙なしには観ることができない。

でも優生(ゆい)さんは与えられた時間を懸命に生きることの大切さを私たちに教えてくれる。

 

 

人は必ずいつか死ぬ。

遅かれ早かれ絶対に!

 

であれば以下の2つが重要だ。

そしてこれこそが本ブログを通じて皆さんに伝えたかったことだ

 

どんな状況下にあれ、

 

いつ死んでも後悔がないよう毎日を懸命に生きる!

 

奇跡的に頂いた命を自らが捨ててはならない!

 

 

皆さんも後悔のないよう一日一生で良い人生を過ごしていってくださいね!!


 

 

 

 

 

 

 

 

最後の最後の最後に本音&弱音書くね

 

本当はオレだって死は怖いんだよ

 

未知のしかも最期の経験だもの。。。

 

 

 

 

ねぇ、こんなオレでも生きた価値あった?

 

誰かの役に立てた?

 

この星に生まれた意味あった?

 

 

 

 

 

こんな拙文に毎回付き合ってくれてありがとう

 

本当はみんなに会って色々話したいな

 

みんなの声を聞かせてほしいな

 

オレのちっぽけな人生が

 

みんなの眼にはどう映ったか

 

 

 

 

迷惑をかけた人たちへ

 

勝手に周りをかき乱して去っていく愚か者を

 

寛大な心で許してね

 

 

 

 

 

 

なお、私が他界した際には娘から本ブログとFacebookで報告させていただきます。

 

 

 

 

このシリーズは今回をもって最終回とします。今後体調の変化などがあれば続報を書きます。

 

いいね!やコメント、メッセージなどを頂けると生きていく励みになります。よろしくお願いしますおねがい

 

【注】癌との共存記録のシリーズは最終回ですが、普通のテーマのブログはたまに書きます。

 

 

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