これは算数が苦手な子をお持ちの保護者様に向けた記事です。

算数が得意な子をお持ちの方には参考になりません。

予めご了承ください。



さて、以下のような問題があります。

【問題】

ある中学校の全生徒の70%は地下鉄で通っています。そのうちの50%はバスも利用しています。次の問いに答えなさい。(サレジオ学院中)

(1)地下鉄もバスも利用している生徒は全生徒の何%ですか。

(2)バスを利用している生徒のうち70%は地下鉄も利用しています。バスを利用している生徒は全生徒の何%ですか。

(3)地下鉄もバスも利用していない生徒は189人です。この中学校の全生徒は何人ですか。



子ども達に解かせた後、たとえば「これは何の問題?」と聞くと、できなかった子からは間違いなく以下のような答えが返ってきます。

「百分率!」「割合!」「わからない!」



この現象がポイントなのです。
そんな時、私はすかさず言います。

もし「百分率」が模範解答なら、キミのライバルは全員答えられるよね?

そんな返答がほしい問いかけをキミの志望校はしてくるかな?



さて、先ほどの「これは何の問題?」で私が期待していた返答は「集合に関する問題」(または「集まり」「ベン図」「表に整理する」などの関連語句)でした。
これが言えるようになれば(3)まで正解できます。
逆にこれが言えなければゴールがわからず走っているようなもの。
手を動かしてはいても、方向が定まらず何度も消しゴムを使い、なんとか(1)だけは正解した、という状態になってしまいます。
この「方向がわからないまま手だけ闇雲に動かす」(または手を動かすことすらできない)ことってお子さんを見てよく目にしていませんか?


そんな状態の子に「これは集合の問題でしょ!」と解説をしても身に付きはしません。

だって身に付いていないから、問題の本質が言えないのですから。

これは以下のことを意味します。

「(1)(2)は単純な割合だよね。こう考えればいいので式はわかるよね?そして、(3)は重なりのある集合算だから…」という解説をしたとすると、子どもは「わかった気」になります。「先生の解説を聞いてわかったよ!」と保護者の方に言うかもしれません。

しかし、後日似たような問題にあたると解けないのです…。

理由は簡単ですよね。


本質を見抜く力が身についていない」のです。
先生の誘導に従った結果、答えがわかっただけ」なのです。

では、どうすれば身につくのか…。

それが難題なわけです。



(以下次回に続く)


名前もない小さな個人塾