今回はシリーズ第3回。
「受験直前想定問答集」は事が起きる前に保護者の方に想定しておいて頂きたいこと。
全7回でお届けする予定である。

第3回は以下のケース。
Q1:1月31日の夜、あなたは我が子にどんな言葉をかけてあげますか?
Q2:2月1日の朝、あなたは我が子にどんな言葉をかけてあげますか?





(あらかじめお断りしておきます。このQに対する模範解答はありません。)


日本全国で何人くらいが中学受験をするのだろうか?
小6人口が120万人だとして、8万人くらい?
いやいや全くわからないので、いい加減な話はこれくらいにしておこう。

しかし断言できることがある。
それは
受験生の数だけドラマがある
ということだ。
そこには全く同じ環境など存在しない。
双子だって異なる道を歩んできた。
だから、Q1にもQ2にも、それと同じ数だけの“答え”が存在するのだ。

大切なことは
「期待感」を話し過ぎて「重圧」を与えてしまわないこと
だと私は思う。

そんなことをするくらいなら、「話しかけない」方がまだマシである。

当日も我が子が平常心でいられるタイプなら、いつもと同様に接するのも一つの手であろう。

夫婦で書いた手紙を枕元に置いておくのもいいかもしれない。(父子家庭・母子家庭の方は2倍の愛情で!)

いずれにせよ、我が子が重圧に負けないよう力を添えてあげればよいのである。
受験前の親の最後の大仕事である。


私の“後悔しない受験”の定義をもう一度確認する。

我が子が第一志望に合格できなかった時、本人に向かって「こんなことなら中学入試なんてするんじゃなかった」「オマエの力はこんなものか、がっかりだ」などという言葉を発する親なんているのだろうか。
いるわけがないと信じている。
であるとするならば、中学受験の“結果”とは合格発表ではないはずだ。

遊びたいのを我慢して頑張ってきた。
模試の成績や組み分けに苦しんできた。
それでも最後まで諦めずにここまで頑張ってきた子どもたち。
首都圏でいえば30万人の小6のうちの5万人として
受験に果敢に立ち向かう権利を得ていることこそが賞賛に値する
ことであるはずだ。

そしてそれを支えてきた保護者の愛ほど素晴らしいものはない。

入試当日、どんどん小さくなって試験会場に消えていく我が子の後ろ姿を見ながら
「今までよく頑張ったね。もう思い残すことはない。さぁ、今から思う存分入試を楽しんできてごらん!」
と心の中で言ってあげられるような受験。
それが後悔しない受験だと私は思っている。

その気持ちを本番前日に伝えたって罰(バチ)は当たらないだろう。
我が子と親の共同作業を締めくくる、我が家にとっての最高のコトバを用意してあげてほしい。


そのために「いま」があるのだ。
「いま」行動した者こそ、最高のコトバを我が子に贈れる。
思い悩んでいるだけの家庭には春は訪れない。