予算のおかしな話 | 小里 泰弘オフィシャルブログ Powered by Ameba

予算のおかしな話

新年度予算は2ヶ月近くの審議を経て国会が承認することで予算が成立します。当然ですが、憲法や財政法の定めにより予算が成立するまでは予算執行の細目(箇所付け)を自治体や関係者に内示できません。

ところが、民主党が予算審議が始まりもしないうちにこれをやってしまいました。重大なフライングです。いわば、裁判が始まりもしないうちに判決を出してしまったようなものです。これでは予算審議が何のためにあるんだということになり、国会が紛糾し、官房長官らが陳謝しましたが、具体的な対応策が出てきません。

一方で、「予算の陳情は全部民主党に持って来い」と横暴を極めています。そもそも地方の予算を大幅に削減しながら「陳情を持って来い」というのはおかしな話です。「予算を削ってくれ」という陳情はありませんからね。

民主党が地方の公共事業予算を大きく削った結果、新規事業は原則できなくなり、継続事業も削られます。ということは、自民党政権時代に決定している事業を継続するかどうか、どれだけ削減するかという話になります。

例えば、平成18年の北薩豪雨災害を受けて、私たちは市町の関係者の皆さんと一緒に何十回も陳情し、国土交通省等とは毎日のように交渉し、国会質問を重ねて、川内川や米ノ津川の激甚災害対策特別緊急事業や関連する事業を決定し、推進してきました。

そのなかの一つとして湧水町の「阿波井堰改築事業」があります。地域の悲願としてのこの事業は一昨年に内定し、去年の春には4500万円の調査費がつき、執行中です。平成21年度で測量、地質調査、予備設計を行い、22年度で実施設計、さらに23年度に用地買収、着工する段取りが一昨年のうちに決定済みです。遅くとも平成27年度までに完成する予定です。

他の災害対策事業にしても西回り高速道路等の道路事業にしても、地域の悲願を受けて自民党政権時代に全て決定し、進行中の事業です。政権が変わっても人の命の重さは変わらず、地方振興の重要性は変わりません。地域にとって真に必要な事業がなるべく減らされないようにがんばっていきたいと思います。

http://blog.livedoor.jp/o_yasuhiro/archives/1032752.html