病の受容過程 第二段階の「怒り」の真っただ中

1月にその事件は、起こるべくして起きた。

 

ろくじろうは15時をまわり

お帰りの送りが始まり、少しバタバタし始めた頃

お泊りのみーさんは帰っていく仲間を見送りながら落ち着かない様子

ブツブツ言いながら、玄関に行ってはスタッフに呼び止められる。

自分の部屋へ行ってみたり・・・廊下をウロウロ。

 

そんなみーさんを横目に・・

私は、上手く誘導しないと送りの車に乗ってくれないはーさんを

玄関に誘導しようと声掛けを始めていた。

 

そんな中

みーさんが玄関から外へ出てしまった✖✖✖

 

幸い、送迎者が歩いてるみーさんを見つけて乗せて帰って来てくれた。

 

その夜、小池さんから電話が入った。

「今日のことを聞きたいから、今から来れる?」

 

すぐろくじろうに向かった。

心の中はうしろめたさでいっぱいだった。

 

「どんな状況だったの?」

そう聞かれて、しどろもどろ・・・・

いや、必死に自分は悪くないことを説明した。

 

そんな私に小池さんがひと言・・・・

「どうした?るみちゃんらしくないよね?」

 

私の中で、「もうダメだ・・」そんな声がした。

怒られたからダメだ。じゃなくてもう限界だと思った。

今の私では仕事にならない。だから・・・もうダメ。

 

みーさんの不穏に気が付いていた。

いつもの私なら、みーさんに声をかけ話を聞いて

そうだなぁ・・・お手伝いしてもらったり、側にいたんだよね。

 

でも

 

もう自分に自信がなくて、

スタッフにどう思われてるのかばかり気にしてた私は

無意識に

上手に誘導すれば評価されるだろうはーさんを誘導して

みんに評価されようとしたんじゃないかな・・・・・多分。

 

そんな自分がうしろめたくて

必死に自分は悪くなかったかのように言い訳をした。

 

小池さんにはお見通し。

 

その夜、小池さんに「ろくじろうを辞めます。」そう伝えた。

 

「本当は休みたかった・・・もう無理だと思っていた。

でも、逃げることが出来なかった。」

 

そう話す私に、側にいた管理者の翼くんが言ってくれた。

「俺は逃げることが負けだとは思わないんだよね。

逃げるが勝ちって、あると思う。逃げた方がいい時もあると思う。

休んだ方がいい時があると思う。」

 

有難かった。

正直、ホッとしてすごく気持ちが楽になった。

「私、本当はろくじろう辞めたかったんだ。」そう思う位ホッとした。

 

次男が大学受験真っ最中だったので

心配かけたくなくて、

1月2月は有給休暇使いながらゆっくり務めさせてもらって

大学受験が終わった2月いっぱいで退職した。

 

 

ホッとした半面・・・

「どうしてこんなことになってしまったんだろう。」

毎日そんな思いに襲われるようになった。

「若年性パーキンソン病にさえならなければこんな事にはならなかった。」

「こんなにツライのに、なんで誰もわかってくれないんだろう。」

「なんで私がろくじろうを辞めなきゃいけなかったんだろう。」

「ずっとずっと、香り庵もろくじろうも頑張ってきたのに。」

 

ある人が言う。

「るみさんは結局ろくじろうにいいようにされたんだよ。」

ある人が言う。

「結局小池さんはるみさんを辞めさせたかったんだよ。」

 

そうだ。そうだよね・・・

私は悪くない。私のせいじゃない。

 

第二段階の「怒り」は益々奥深く私を包み込んでいき・・・

そんな自分のマイナスな感情に自分自身が苦しくて

なんて嫌な人間になってしまったんだろう。

私はこの先どこまで落ちるんだろう。どうなっちゃうの???

 

毎日毎日布団かぶって泣いてました。

根性は奈落に落ちた最低最悪な自分

「病は気から」とはよく言ったものです。

どんどん動けなくなって、声もかすれて出なくなっていった。

 

消えてしまいたかった。

すべてから逃げたかった。

死んでしまいたかった。

 

その頃

もう一度神経内科を受診した。

 

「若年性パーキンソン病じゃありませんね。」

そう言ってもらえることを期待して。

 

脳に腫瘍とか出来てて、手術したら治るとか

なんでもいいから手術して治る病気であってくれ!!!!

 

三つ目の検査結果までは

「パーキンソン病じゃないのかな・・・」

四つ目の検査結果で

「パーキンソン病と言っていいでしょう。」

 

数年前の宣告より、メンタルやられてたせいかショックが大きくて

小池さんとかにLINEしたけど、頭はパニックで・・・・

出された薬を見ながら呆然としていた。

 

「また薬出されちゃいました。」

鍼灸治療に通っているあか先生に泣きながら電話して

 

「お薬が出たのね。飲んでも大丈夫よ。

飲んでみて様子を見れば大丈夫。副作用が辛かったらすぐやめればいいから。

何かあったらすぐ電話して。」

 

薬に対しての恐怖心が強く、薬を飲みたくないと思ていた私。

パーキンソン病と言われ薬が出たことで

薬を飲む恐怖と、飲まないと選択してもっと悪化したらどうしようと思う気持ちと

飲むの地獄、飲まないも地獄・・・

 

そんな私にあか先生の言葉は

本当に救いの言葉だった。

 

すーっと心が落ち着いて気を取り直して家に帰った。

 

もう三年も前の話なんだなぁ。

 

ここから「怒り」からの脱出に向けた日々が始まったのですが

次回に続きます。(@^^)/~~~