酸素がどうとか、
二酸化炭素がどうとか、
そんなことはどうでもよくて。
ただ単に。
息を深く吸って、深く吐くという行為は
生きていく上でとても重要な行為だと
おれは考える。
だから日々深呼吸を。
と意識して過ごしてみるものの、
毎日忙しくしていると
忘れがちになってしまうのが実際ののところだ。
そうしておれは、
煙草を吸うことにした。
朝と夜に一本ずつ、
煙草の煙とともに深呼吸をする。
煙草なら、毎日忘れることなく
深呼吸が出来る。
「一日二本だけなら、何も煙草を吸わなくたっていいじゃない」
と、恋人は云うけれど。
深呼吸を忘れる日々と、
煙草の毒。
どちらがマシかといえば後者なわけで。
「それに、一日二本なら身体に影響があるとは思えない」
とおれは答えるのだった。
君だって、
毎日沢山の煙草を吸うじゃないか。
心のなかで、そう付け足して。
煙を吸う。
煙を吐く。
全身を毒が駆け巡っていく。
深呼吸と引き換えに、今日も。
全身を、毒が駆け巡っていく。
