5月に演奏する機会を頂き、その中の一曲にラヴェル「水の戯れ」選びました。
作曲者や作品については専門家の方や詳しいアマチュアの方が多くを書いて下さっているので、ここでは演奏するにあたって私がイメージした事を書かせて頂きます。
まず音色・・・
光を受けて一粒一粒キラキラと輝き、様々な色合いに変化する様子を表す様な音を作り上げる必要があります。
楽譜を読解き、イメージを積上げ推敲し、音を作り上げる作業の積み重ねが必要です。
3度の積重ねによる緻密な和音使いが多いです。(例・・・ミ、ソ♯ シ、レ♯、ファ♯等)
緻密な和音を多用すると、隣り合った音を動じに弾く事が多くなります。(ファ♯とソ♯、レ♯とミ等)
狭い範囲で多くの音が鳴るので、音色を使い分けないとぐちゃぐちゃになります。
又高音使いが多いです。一つ一つの音そのものが輝く様に美しくないと、キンキンうるさくなってしまいます。
又その緻密な和音や装飾を含む平行4度、5度のやや太い和声進行(例、ド♯とソ♯→レ♯とラ♯等)、五音階のメロディ等により、曲の調性がやや曖昧です。
調性(何長調とか何短調とか・・・)が曖昧だと、落ち着くべき和音がわかりにくく、曲全体が曖昧で、どこに落ち着くかわかりにくくなります。
曲の最後にやっと落ち着く感じがするのも、このホ長調の主の7和音にやっと最後に落ち着くからなのです。(ミ、ソ♯、シ、レ♯)
光り輝くこの作品をうっかり無神経に弾くと、キンキンうるさくグチャグチャで、もわ~~っとなってしまうのです。
又、曲は意外に単純で変化のないメロディと和声使いで作られている上、作曲者はテンポ、ルバート(テンポに緩急の変化をつける事)をしない様、その事に拘ったそうです。
メロディ、和声使い、テンポに変化があまりなく、装飾の変化の多様性が特徴です。
この緻密で多い細かい装飾音の一つ一つ、全てが大切です。
一粒一粒の音のキラキラとした輝きが、光を受けて変化する音の織りなす世界・・・・
辻井伸行さんの演奏、素晴らしいです。
http://www.youtube.com/watch?v=zWUlP1I6vjI