前にも書いたはずだけど、「BALLET The New Classic」を観てやっぱり二山治雄さんは尋常じゃない素晴らしいダンサーだと改めて思ったので、書きます。
二山治雄さんは(言わずと知れたことでしょうが)2014年にローザンヌ1位、YAGPもシニア1位と輝かしいスタートを切っています。
本当にね、彼のローザンヌの「ディエゴのためのソロ」は何人も踊っているけどこれを超える人はいない。
胸のすくような、とはまさにこのこと。どこまでも高く上がる足、ジャンプした時に一瞬止まっているんじゃないかと思うほどの滞空時間の長さ、美しい姿勢、そして音の捉え方。
これがコンテほぼやったことなかった時らしいからすんご過ぎる。
クラシックも貼っときます。
なんつーの、もうほとんど地面にいない。
バレエをやっている人みんながこうしたい、と思っていることを軽々と易々とやってしまう。
正確なポジションに加え、一番綺麗なところからさらに伸びる凄さ。
Alexandre magazineのインタビューを読むとなかなか頑固な方みたいで、自分からウェーイ(古い?)と行けるタイプではないみたい。
海外よりも日本が合っている、と仰っているけど。
なんか日本だけに置いとくのは勿体無い気がするけど、ワシントンやパリオペも経てご本人がそう仰るならそれもいいのかなー。
身長が166センチとのことなので、なかなか王子役は厳しいらしいけど、その代わりあの中性的で不思議な魅力は逆に誰も持っていないと思う。
そしてインタビューでびっくりするのは、太りやすい体質でかなり努力してあの体型をキープしてるってこと!
ちょっと抜粋させていただきます。
二山 「僕はいたって普通の人です。特別な努力はしていません。ただ、普通だからこそ、他の人より何かやらなければならないなという気持ちはあります。今は松本の実家暮らしです。地元の教室で練習をしているので、助教師もしています。練習は大体12時から夜の9時くらいまで。休日は10時から夜の9時くらいまで稽古をしています。」
二山 「もともと僕は太りやすい体質で食べたらその分太ってしまい、アメリカにいた時にはドカ食いをして、今より10数㎏体重が多くなってしまいました。日本に帰国後、公演があったこともありますが1か月で5㎏痩せて、そのほうが踊りやすいのを実感しました。暇な時間があると食べてしまうので、バレエをしてなるべく食べる時間がないようにしていたのです。自分の身体を見せて人に感動を与えるということは、やはり無理をしないとできないことだと思っています。」
アメリカで10キロも増えちゃったんですねー。日本に帰って1か月で5キロ落としたと言うんだから、本当に天才が努力してあの状態なんですね。
さらに。
二山 「努力でなるものとならないものがあります。持って生まれたものがあるのは海外のダンサーで、持っていないところから始めるのが日本人のダンサーですね。僕の身体も無理して作り上げたものです。無理して作ってきたからこそ、努力しても叶わないものがあるということもわかってしまいます。それがとてもつらく感じたことがあります。海外留学に行ってみて、普通の一般人ですら骨格から違うと感じました。突き詰めれば突き詰めるほど向上はしますが、つらいですね。踊っている分には楽しいですが。極めるということはどの分野にしても関係なく、どんな職業でもつらくて大変なものだと思います。」
こういう方を見るとつい私なんかは「天才は違うよな」と思っちゃうし、彼は天才だと思うんだけど、本人はそうは自覚していないし、その上で出来る限りの努力をしてるからあんなに素晴らしいんだな...と。
てかさ、毎日9時間とか10時間とかレッスンしてるんですね??
だ、ダイエット頑張ろレッスンも!!
そこまでしてあんなに素晴らしい踊りが出来るんだなぁ。
バレエ以外のアルバイトもしたとか、なんか、色々やってらっしゃるんだなぁ。
でもやっぱり世界の幸せのためにも彼はひたすらいい環境で踊ってほしいよな。本当に世界の宝だと思うんです、あの才能。ギエムに並ぶ才能だと思う。
表現が苦手だとか、冗談でしょ?って感じなんだけど。
なかなか本人は分からないもんなのね、自分の凄さって。そこが彼の個性なんだろうけど。
とにかく彼の踊りは至福🩰
観られる時にどんどん観たいと思います。いわゆるダンスール・ノーブルの王子役が身長的に難しいなら、彼に合うバレエを作るべき(「星の王子さま」はそうでしたね)だと思うのよ。世間が彼に合わせるべき。それくらいの才能。
応援してます!!