刑事訴訟法
■現行犯逮捕(212条1項)の要件
第212条1項 現行犯人
現に罪を行い、又は現に罪を行い終つた者を現行犯人とする。
「現に罪を行い、又は現に罪を行い終つた」とはどのような意義をいうか。
令状主義(199条1項、憲法33条)の例外として、無令状で現行犯逮捕(212条、213条)が許容される趣旨は、犯罪と犯人の結びつきが明白であり誤認逮捕の虞が少ない点にある。
そこで、212条1項に基づく、「現に罪を行い、又は現に罪を行い終つた者」を現行犯逮捕するためには、①犯罪と犯人の明白性が認められることが必要と考える。そして、その明白性の認定に際しては、まず客観的・外部的事情を基準にしつつ、補充的に供述内容を考慮できると考える。
また、①を担保する補充的な要件として、②犯行と逮捕との時間的場所的接着性、③逮捕の必要性も考慮する。