刑法
■因果関係②(行為後の介在事情、因果関係の錯誤)
(因果関係は偶然の結果を行為に帰責させないようにするためのものであるから、行為に内在する危険性が結果へと現実化したといえる場合に、因果関係を肯定すべきである。)
そして、行為後に介在事情が存在する場合には、①行為の重大性、②介在事情の寄与度、③介在事情の異常性、を考慮して因果関係の肯否を判断する。
※①②が拮抗する場合に必要に応じて③で判断
因果関係を肯定できるとしても、行為者に因果関係の錯誤がある場合、故意(38条)が阻却されないか。
故意責任の本質は、規範に直面し反対動機の形成が可能であったにも拘わらず敢えて規範を無視した反規範的人格態度に対する道義的非難にある。
そして、規範は構成要件として類型化されているから、行為者の認識事実と発生事実が同一の構成要件内で符合していれば、故意責任を問いうる。
したがって、因果関係の錯誤については、認識事実と発生事実が相当因果関係の範囲内にあれば、故意は阻却されない。
明日は、因果関係③(早すぎた構成要件の実現)