今の若者は知らない(というか映画好きでないと私のようなオヤジ世代でも知らない)B級映画でヒットした「セルラー」という20年前の映画のリメイク。
当時は、主演のキム・ベイジンガーが有名なだけで低予算の映画であったが、電話一本というシチュエーションが受けて、大ヒットした。
その後も、現代にいたるまで、ギルティやその他、主に警察が通報を受けて電話での通話だけで話が展開していく映画が数多く作られ、いずれもそこそこにヒットしている。
今回は、原点に返って警察の緊急通報受信センターではなく、電話をうける側もただの人である。ただし、オリジナルと違って、話のスケールがとても大きくなっている。
また、香港映画なのだが、韓国映画のようなパワーと強引さがあって、テンポよく楽しめる。
ジャッキーチェンの映画を思い出すのは私だけだろうか。
携帯電話だけでつながっている二人が、それぞれ、何度も何度も、数えきれないくらいピンチに見舞われ、飽きさせない。
突っ込みどころはあるが、それはこの手の映画にはご愛嬌である。
星3.5超。期待を裏切らない「知られざる?」佳作。オリジナルの「セルラー」と同じような映画を期待すると裏切られるかも。アイデアで持っていく低予算映画ではない。
残念ながら、世界が知るように、現代の香港はすっかり返還前と変わってしまった。
すっかり委縮してしまって久しい香港で。映画は、このような勢いのある楽しい映画がつくれるのだろうか?。
内容は全く政治的な映画ではないのだが、中国映画がお金はすごいかけられるが、やはり、台湾映画の伸長や、韓国映画の充実に比較して、単なる投資者になってしまっている。
そこで残念なのは、なんら独裁下でも何でもない日本が、もっと厳しい政治的干渉のあるぞれらの国々を超える映画が生まれてこないことだろう。内容が政治的でなくても、常におどおどしている映画人には、このようなパワーのあるエキサイティングで楽しい勢いのある映画は作ることができないようだ。残念…