公開日: 2022/5/16
タイトル: The Magic of NON-Exercise
ポッドキャスト: Food, We Need to Talk
記事/原稿URL: 

 

概要: NEATとはNon-Exercise Activity Thermogenesisの略。ランニングやヨガ等、健康のために意図された運動(エクササイズ)に対し、ショッピングや家事等の日常的な活動によるエネルギー消費を指す。運動には準備、移動、着替え、シャワー等、実際の運動より多くの時間や事前の計画を要するが、NEATはハードルが低い。この気軽さが重要で、Dr. James Levineは、どんな動きであれば自分の生活に取り入れやすく、無理なく続けられるか、まず考えてみるべきだと言う。
オフィスワークに従事する人は、日中は座りっぱなしで、疲れて帰ってきた後はテレビを見てオンラインショッピングをして寝てしまうなんてこともあるかもしれないが、例えば会議室でのミーティングの代わりに散歩をしながら話し合ったり、通勤の一部を歩きに変えたり、買い物は実店舗で行う等、無理のない範囲で行動を変えることで、一日の消費カロリーを数百キロカロリー増やすことができる。ちなみにこのポッドキャストの録音も立ったまま行われた。

Dr. James Levineはある実験で、各被験者の体重維持に必要なカロリーを計算し、1,000キロカロリーを上乗せした食事を8週間続けてもらった。余計に食べた分太った人も勿論いたが、驚いたことに、体重が変わらなかった人もいた。彼らの秘密はNEATにあった。一部の被験者は、摂取カロリーが増えるにつれ無意識により活動的になっていた。運動は何もしていないと言うが、よくよく聞いてみると、ボーイスカウトの隊長で毎晩数時間歩き回っている人もいれば、アートが好きだと気付いてギャラリー巡りをしている人もいた。

このような活動傾向には視床下部が関係しており、遺伝の影響も否定できないが、環境の影響も大きい。米国では、郵便番号が活動レベルや肥満度の重要な決定要因である。治安の悪い地域では気軽に散歩はできないし、子供を遊びに行かせられない。考え方によっては、運動を面倒くさがる心自体が恵まれている証なのである。

 

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NEATは日本語では非運動性(活動)熱産生と訳されるらしい。私もコロナ禍でリモートワーク中心になり、あまり通勤をしなくなってから運動不足を痛感している。つい先日モールをぶらぶらするだけで1万歩を達成したので、NEATをどんどん取り入れて楽しみながら消費カロリーを増やしていきたい。