ゴワゴワした全身スーツに、
ヘルメットをかぶって
少女は列車に乗り込んだ。
機械で制御された列車は1秒もずれずに乗客を目的地へと運んでいく。
乗客?
非常に長い編成の列車だが、
乗客は少女の他にはいない。
人間以外の物体はチラホラ乗車している。
目的地?
目的地があるものがこの時代に生きているのだろうか?
列車の外は土煙のような黄色っぽい世界。
細かなチリが舞い、風が吹き荒れている。
生命維持スーツを着ていなければ外気に体を晒すことなどできない。
もっとも、生命維持スーツがなければ
ほとんど生きているのか死んでいるのかわからない。

少女はヘルメットのクリアガラス越しに映る
薄汚れた世界をぼうっと見ていた。
目的などない。
どう生まれてどうなっていくのかまったくわからない。
ただ何もしなくても心臓だけは動いているから厄介なようにも思う。

誰かが、誰もが何かを望んで、
そうして世界を作り上げてきたはずなのに、
行き着いた先は、ただ生命の維持だけが保証されている 喜びも苦しみもない世界だった。
誰かの望みが世界を破壊して、
いやもしかしたら完全なる世界にして
あってもなくても変わらない私たちを
異物としながらも生かし続ける。

情報だけが流れ星のように飛び交っている。
誰にも受け取られないのに、すごいスピードで
すごい量の情報だけが空を行き来している。

外の世界が徐々に闇に包まれていく。
少女はヘルメット越しに車窓に映っては消えていく世界をぼうっと眺めている。
この世界の人はなぜ夜があり、なぜ朝が来るのか知らない。
忘れてしまったのだ。
この星の子だということを。


音職人の中でも古くから重宝されているのが『屁職人』である。
ある時には真剣な会議中に、そしてまたある時には付き合いたてのカップルの会話中に、屁職人はとても軽快な音で屁をひるのである。

それは不潔さをあまり感じさせない屁でなければならないし、臭いは最小限に抑える必要がある。

若干肩を竦めるようなヤレヤレ感、あと少しばかりのクスクス笑いを届けられるようになれば一人前。

場をほどきすぎずにリラックスさせることにやりがいを感じて職人を目指すものも少なくない。

※久しぶり書いたブログがこれなのである。




iPhoneからの投稿

飛行場から飛び立った飛行機が


まだくっきりとその形を示して轟音とともに夜を割く



線路沿いに住んでいた私は


カンカンカンという踏み切りの音と


電車がやかましく通過する音を毎日聞いていたんだ



けれどまだ小さい私は


ひたすらうるさいあの乗り物に乗って


遠くに行けるなんて知らなかった





あの頃全てだったあの街は


遠くどこまでも続くようだった





大人になった私は


遠くに行ける術を知った



そしてあの街は


あの頃よりもずっと小さく感じられた




はじけるような思い出を包んで


私はあの街をもう一度訪れてみたい




遠く離れてしまった人たちをもう一度引き合わせたい