フィゲラスのダリ | いってみよう! 夫婦で GO!GO! 世界一周。

フィゲラスのダリ

ジローナは古い街並みが残るきれいな街だ。
私たちの泊まっているユースホステルは、どうやら学生の利用が多いようで、
昨夜は合宿か何かの団体が、夜遅くまで騒いでいた。


すぐ上の部屋でどんちゃん。どんちゃん。なぜか椅子をひきずるような音まで、
聞こえてきてうるさいことこの上ない。


12時になると静かになるだろうか?と我慢していたが、
12時どころか1時になっても収まらない。


そればかりか、どんどんエスカレートしていった。


さすがに我慢の限界を感じ、受付の人にたのんでおさめてもらったが、
アルコール禁止のホステルでよくもあれだけ騒げるものである。


若いっていいなぁ。と急に自分が老けたような気がした。


それはともかく。


どうして私たちがこのジローナ。(格安航空会社のライアンエアが、
バルセロナの空港として利用しているジローナ空港で有名なジローナ。)
に来たのか?


それは、ダリに会うためだった。


20世紀シュールレアリズムの巨匠として、強烈な個性を放つ天才。
ダリの故郷がこのジローナにほど近い、カダケスにあり、
そして同じく近郊のフィゲラスには、ダリ劇場美術館がある。


私たちはダリの2大聖地を訪れるため、ジローナにやってきた。


バスで50分。フィゲラス行きはすいていた。
チケットは往復で買うと、1ユーロほど安くなった。


特に目立つ案内板もなかったが、
バスターミナルから左手の方向に適当に進んでいくと、
地面のまのびしたダリの顔を筒状の鏡で見ると、
ちゃんとした顔に見える屋外アートが置いてあった。
そのそばに、ようやく「Museo Dali」の案内板があるのを見つけた。


胸を高鳴らせながら、坂を上がっていく。
と、赤い壁に無数のクロワッサンが敷き詰められ、
屋根にはアカデミー賞のオスカー像のような人形と、巨大な卵が載せられた、
独特の外観の建物にたどり着いた。


入り口が分からずしばらくウロウロする。ぐるっとまわった反対側だった。


館内は思ったよりも狭かった。


入ってすぐに現れる中庭には、
車内に雨が降っている車の前に、大きな肉つきのよい女性の彫刻。
車のうしろにそびえる塔の上には、手こき舟が浮かぶ。


奇妙な作品を中心にして、同心円状に中庭を取り囲む壁には、
無数の男だか女だか分からない顔が、ぽっかり口を開けていた。


中庭の奥は、バルコニーになっていて、後ろの壁一面には、
頭の割れた男がうつむいている巨大な絵が描かれている。


バルコニーの中心には、一角だけまわりとは色の違う、
大体たたみ一畳ほどの細長い石がはめこまれている。


多くの見学客は平気でこの石の上を歩いているが、
ここが天才のお墓だった。


中庭横の部屋から地下へ入ると、ダリの棺の側面が顔を出していた。


館内には他に絵ハガキにもなっている唇ソファで有名な顔の部屋や、
お金を入れると原子モデルのような機械が動いて絵が出てくる
謎の作品があった。


リンカーンの肖像、ピカソの肖像など、有名な作品は数えるほどしかなく、
絵画自体の点数は少なかった。


裸婦や風景をすべて岩で構成して描かれた、
岩シリーズが展示してある部屋は、
なかなかおもしろかった。


が、正直。思っていたよりもこじんまりとしていて、
「なんだこんなものか」と、思ってしまった。
期待が大きすぎたのかもしれない。


美術館の隣には、ダリジュエリーが併設されていた。
ここには、ダリのアイデアによる装飾品が展示されてあり、
アイデアスケッチと、実物の両方を見比べて鑑賞することができた。


ダリのスケッチもおもしろいが、それにも増してスゴイのは、それを形にする職人だ。
どれも、ダリの突飛なアイデアを必死になって形にしようとしており、
細部に至るまで、よくここまでできるなぁ。
とひたすら職人技に感激した。


さすがに、水晶の中に時計を入れることはできず、
後ろに時計をつけることでごまかしていたが、
それでも、できるだけスケッチに忠実に造ろうとする
職人たちの意地には本当に頭が下がる。


劇場美術館で少しがっかり気味だった私たちも、
ダリジュエリーで再び盛り上がった。


ショップでは、ユリがずーっと探していた
唇型のシルバーリングが売られているのを発見してくれた。
うれしくなって、思わず購入してしまった。(yo)



宝石でできた動く心臓も