パルミラプロブレム
パルミラの広い遺跡内はベル神殿とローマ劇場以外は無料で観てまわれる
ドミトリーでスロヴェニア人と仲良くなった。
名前はイーゴルという。
昨日、私が国境で買ったビールを飲んでいるのを見ると、
「それ、どこで買ったの?」と話しかけてきた。
ビールを探し回って随分歩いたらしい。
国境で安く買えたよ。というと、
「ちくしょう。知らなかった」と悔しがっていた。
イスラエルから入って、アンマンで一泊し、
昨日ダマスカスにやって来たという。
ファイナンシャルプランナーらしく、テルアビブで開催される、
コンベンションに参加するついでの旅行らしい。
私たちと同じようにパルミラに行くというので、
今日、一緒に宿を出ることになった。
彼は日帰りのつもりだったらしい。
私たちの荷物を見て驚いた。
パルミラで何泊かするつもりだ。というと、
ロンプラを取り出し、あまりおすすめできないといった様子で、
あるページを見せてくれた。
そこには「PALMYRA PROBLEM」というコラムが設けられていた。
なんでも、パルミラでは近年、観光化が激しくなって、
コミッションを貰うために、ホテルの客引きがしつこいだとか、
バスは必ず、あるホテルの前で停まって、
何も知らない旅行者を宿泊させようとするから、注意しろ。
というような内容だった。
エジプトではそういうのはしょっちゅうだったので、
「ノープロブレム」と言っておいた。
朝8時に起床し、パルミラ行きのバスが出ている、
ガラージュ・ハラスター行きのセルビスを探す。
待てども待てども、なかなか来ないので、
イーゴルの機転で、タクシーで行くことになった。
ガラージュ・ハラスターに着くと、真っ先にパルミラ行きのバスを探す。
イーゴルはどんどん英語でバス会社の場所を聞いてまわる。
私たちはただ、ついて行くだけである。
バス代は1人190ポンド(約456円)だったが、
イーゴルが500ポンド出して、私が200ポンド出した。
さっきのタクシー代もイーゴル持ちだった。
さて、私はイーゴルにいくら払えばいいのだろうか?
うんうんうねって、考えていると、すぐさまイーゴルは答えを出してきた。
5秒もかかっていない。
さすが、ファイナンシャルプランナーである。
計算が苦手な私は紙に書いてもらって、ようやく理解することができた。
イーゴルと行動していると、いつもより移動がスムーズだった。
明らかに普段、二人で移動する時よりもテキパキしている。
これが普通のバックパッカーのスピードなのかもしれない。
私ももうちょっと、頭の回転が速ければなぁ。
およそ3時間後、バスはパルミラに到着した。
そして、ロンプラにあったとおり、あるホテルの前で一旦停まった。
なにやら客引きのような輩が現れたが、誰一人降りるものはいなかった。
バスの終点は、なぜこんなところで停めるのか理解不能なくらい、中心部から離れていた。
降りると同時に客引きが群がってきた。
いろんなおじさんが、「俺の車に乗れ、いや俺のだ。」と浴びせるように勧誘してくる。
噂のパルミラプロブレムが始まった。
ある運転手は3人で5ポンド(約12円)だと言ってきた。
とんでもなく安いので、明らかに裏があるに違いない。
きっとコミッションをもらえるホテルに連れて行かれるのだろう。
同じバスに乗っていた他の観光客も警戒していた。
その1人に一緒にタクシーをシェアしないかと誘われたが、
私たちは3人だったため、全員は乗れなかった。
ふと見ると、イーゴルが手招きしている。
なんと、イーゴルは明らかに怪しい、その5ポンドのタクシーに乗ろうとしていた。
あわてて、イーゴルを説得し、他の観光客と一緒に50ポンド(約120円)の
まともそうなタクシーに乗るように薦めた。
そして、私たちは別のタクシーを探すべく、通りを遺跡の方向に歩くことにした。
私もロンプラを読んでいなければ、「5ポンド!安い!」と言って、乗っていただろう。
しかし、あんなに警戒していたイーゴルが、まさか罠に嵌りそうになるとは。
あんなにロンプラを熟読してたのに。。。なぜ。。謎だ。
歩いていると、車に乗ったおじさんがタクシー?と声を掛けてきた。
明らかに普通の乗用車だったので、はじめは警戒したが、
疲れていたこともあり、50ポンドで遺跡の入り口まで行ってもらうことにした。
無事ホテルにチェックインした後、観光に出かけたが、結局、
その後パルミラでイーゴルと会うことはなかった。(yo)
パルミラレストランで食事。ヨーグルトをかけて食べるマンサフとトマトが旨いカワディ。
どちらもベドゥイン料理でこの店の定番メニューらしい。
スープと紅茶付きで、どちらも250ポンド(約600円)