シリアとタクシー料金
国境からダマスカスまでは、1時間30分ほどだった。
バスは小さなバスターミナルに停まった。
JETTバス専用だろうか。
地図ではガラージュ・バラムケに到着するということだったが、
なんとなく違うようである。
前には大きな通りがはしっていた。
バスの姿はみかけない。
宿のあるマルジェ広場までは、
タクシーを使わねばならないようだ。
バスから降りた人たちも次々とタクシーを拾っている。
流している1台を停めて、マルジェ広場までいくら?
と聞くと、200ポンド(約480円)という答えが返ってきた。
ガイドブックによると、市内なら50ポンド以上には、
ならないと書いてあったが、4倍の値段ではないか。
燃料価格が上がっているとはいえ、4倍は高すぎるだろ。
他のタクシーにも聞いてみようと、路肩に立っていると、
シリア人のおじいさんが近づいてきた。
「どこに行くんだい」というそのおじいさんに、
「マルジェまで200ポンドと言われました」というと、
高いといって目を丸くした。普通は100ポンド位らしい。
そして、おじいさんは「ワシらがタクシーを拾ってあげよう」と、
いつの間にかやってきたもう1人のおじいさんと一緒に、
往来するタクシーをつかまえ、アラビア語で交渉してくれた。
シリア人はホスピタリティに溢れているとは聞いていたが、
ついて早々、親切にあやかることとなった。
「ウェルカムシリア」と笑うおじいさんたちに手を振り、
タクシーでマルジェ広場に向かう。
運転手は陽気な人で街を色々と解説してくれた。
アラビア語なのでほとんど分からなかったけど。
道はすごく渋滞していたが、私の胸中は穏やかだった。
シリア人はいい人ばかりだぁと喜んでいた。
ひどい渋滞だったせいか、
結局、マルジェ広場に着くのに1時間程かかった。
タクシーのメーターは、140位になっていた。
少し多めに払っても良いかなと思っていたので、
200ポンド(約480円)渡した。
ところが、運転手は満足していない様子で、
もっと払えと言って来た。
こっちは「お釣りはいらないです。」
と言う準備をしていたというのに。
アラビア語では分からないので、数字を書いてもらうと、
なんと400ポンド(約960円)。
メーターを指差し、140ポンド(約330円)じゃないのか?
と確認するが、ノーの一点張り。
シリアポンドは225ポンドしか持っていないので、
払えないと言うと、ドルでもいいと言ってくる。
「200ポンドプラス5ドル払え。」と言ってきた。
これはおかしいと、ユリが周りのシリア人を呼びに行った。
運転手とそのシリア人助っ人の間でアラビア語のやりとりが、
はじまったが、やはりプラス5ドル払うべきだということになった。
今にして思えば、この運転手が乗車地をでっち上げたのかもしれない。
しかし、どこから乗ったのか分からなかったので抗議のしようもない。
やむなく、200ポンドプラス5ドル払ってしまった。
合計で1000円近くにもなる。
100ポンドで乗れると思っていたのが、4倍である。
やはり、どう考えても高い。
後ほど、観光案内所でタクシー運賃の相場を聞いてみると、
市内のはしからはしまで行って、150~200ポンド位だった。
400ポンドは明らかに高いと驚かれた。
チクショー。
ナンバーを控えていれば、警察に通報できるが、
あいにく、そんな事はしていない。
着いて早々、タクシーにボッタくられた。
はじめは、なんていい人なんだろうと思っていた分、
余計に怒りがこみ上げてくる。
ぶち切れて、車を降りれば良かった。
世界でも有数のホスピタリティに溢れた国といえども、
ボッタクシーには国境がないようだ。(yo)