アブシンベルの帰り道
席は早い者勝ち。
予定時刻より、早めにバスに戻り、
補助席ではなく、普通の座席をゲットする。
しかし、窮屈であることに変わりはない。
背もたれが伸びた分、いくらかましな位である。
再びあの3時間弱の道を戻るのかと思うと、
憂鬱になってくる。
車中では寝不足と疲労のため、
ぐったりしていた。
予定ではこの後、アスワンハイダムに向かい、
イシス神殿と切りかけのオベリスクを見に行くことになっている。
相変わらずの砂漠ロードを何時間か揺られると、
突然目の前にダムが現れた。
これがアスワンハイダムか。と思っていると、
バスはそのままそのダムを渡りきってしまった。
しばらくすると、イシス神殿の看板が見えてきた。
しかしバスはまたもや無視して通り過ぎていく。
訝しく思っていると、道路の真ん中でおもむろに停車した。
ドアが開けられるとドライバーは、
ホテル名を連呼しながら何やら呼びかけてきた。
どうやら、ここで、このままホテルに帰る組と、
さらにツアーを続ける組とに分かれるようである。
外には別のバスが停まっていた。
そうして、私たちともう一組は別の車に乗り換えることになった。
またもや同じようなミニバスである。
しかし、今回は補助席を使うほどギュウギュウではなく、
私たちはまともな席に座ることができた。
全員揃ったところで、車は来た道を引き返しはじめた。
イシス神殿の看板を通り過ぎ、再びダムを渡る。
バスはアスワンハイダムに向かっているようだ。
とすると、さっき渡ったダムはアスワンダムだろうか。
しかし、なぜわざわざ引き返さなければならないようなところで、
そもそも合流しなければならないのだろうか。
ダムを渡る前で待っていれば、その分ロスがないではないか。
疲れているのに、無駄な動きをさせられて、少々腹が立った。
アスワンハイダムには入場料1人8ポンド(約160円)必要だった。
ダムはナセル湖を望める他には、これといって魅力はないように思えた。
撮影は禁止のようであったが、私たちを見つけると、
巡回している警官はわざわざ、
「フォト、オーケー」と伝えに来ていた。
適当なものらしい。
30分ほど過し、たいした感激も得ず、イシス神殿に向かう。
アスワンダムを渡るのはこれで3回目になるなぁ。
と思いながら、車窓を眺める。
イシス神殿はナイル河に浮かぶ島にある。
島へはボートで行くことになるのだが、
入場料1人40ポンド(約800円)とボート代は別だった。
このボート代が厄介で、公定レートはあるようだが、
人によって料金が違うため、交渉しなければならなかった。
みんなそれぞれ交渉をはじめる中、
私たちもおっさんをつかまえて、値段について話し合う。
1人5ポンドというところで落ち着いたので、良しと思ったが、
一緒のバスの女性はそれでも高いと言い出し、
1人4ポンドまで負けさそうと、さらに交渉を続けはじめた。
バスに戻る時間は決まっているので、
このままでは観光の時間が少なくなってしまう。
下手をすると、入場料だけ払って、
何も見ずに終わってしまうことにもなりかねない。
5ポンドで十分安いではないか。
これ以上何を粘らなければいけないのだ。
そんな風に思っていると、しばらくして、
やはり4ポンドは無理だったようで、
1人5ポンド(約100円)で島に行けることになった。
一隻のボートに16人が乗る。
しかし、みんなしつこく粘るものだ。
私なんかは、ほどほどで、もういいではないかと思うのだが、
特に欧米人は粘り強く頑張る。
そこそこで妥協してしまう。
そこが日本人がなめられる原因なのかもしれない。
イシス神殿は壁画や柱の彫刻などが、綺麗に残っており、すばらしかった。
特に、パピルスをモチーフにした柱は、
一本一本デザインが異なり興味深かった。
イシス神殿を後にする頃には、
私たちはすっかり暑さに参ってしまっていた。
バスは切りかけのオベリスクに向かったが、
炎天下の中、わざわざただの岩を見に行く気になれず、
入り口の日陰で休むことにした。
ホテルに帰ったのは3時30分頃、
12時間に及ぶツアーがようやく終了した。(yo)
冷たくて最高に旨かった。2ポンド(約40円)

